小林陵侑(25=土屋ホーム)が22年北京五輪イヤー初戦を白星発進した。

合計291・2点で3連勝。今季5勝目をマークし、W杯個人総合で2位から首位に浮上した。伝統のジャンプ週間は開幕2連勝。3季ぶり総合王者に近づき、史上初の完全制覇2度目まであと2勝とした。

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小林陵が新年最高の滑り出しを見せた。試合前2位だった個人総合ランキングで逆転に成功し、首位を示す黄色のビブスを着て表彰式に登場。スーツ規定違反による失格と新型コロナウイルス陽性反応のため、出場はライバルたちより3戦少ない。それでもポイントを重ねてトップに躍り出た。受け取ったトロフィーは写真撮影に応えて掲げた時に真っ二つに分かれるハプニングもあったが、終始楽しそうだった。「今年一番、緊張しましたね。2022年で」とご機嫌だった。

接戦を制した。143メートルのヒルサイズ越えを披露した1回目のリードが効いた。2回目は直前にスタート位置が1段下に設定されたが、135・5メートルを飛んで逃げ切った。2位アイゼンビヒラー(ドイツ)とは0・2点差。相手は140メートル台2本そろえたが着地でミスがあり、飛型点で得点を重ねた小林陵に軍配が上がった。「難しい勝負になるんだろうなと思った。(1回目の)貯金が生きたし、2回目も緊張した中で動き自体はそんなに悪くなかった」と振り返った。

年末年始恒例のジャンプ週間第2戦も勝ちきり、2連勝。史上初の快挙にも近づいた。4戦全勝での2度目の完全制覇へ突き進む。週間総合2位で追うリンドビク(ノルウェー)とは13・2点差をつける。「彼はジャンプ週間で毎年ちょっとずついいのでおもしろくなるのかな」と予想していた通りの展開だ。だが連勝を続けてはね返す。

尊敬する師匠もうならせた。中継のゲスト解説を務めた所属先の先輩、レジェンド葛西紀明も「完璧なジャンプを2本そろえてくれた。ニヤニヤが止まらない」と愛弟子の活躍を喜んだ。W杯初勝利から一気にジャンプ週間でも年間でも総合覇者に駆け上がった3季前とは違う。「今はもっと自分のジャンプを理解しながらできている」と貫禄と余裕すら感じさせる。今の調子のまま五輪に臨めば、金メダルは手元にやって来るはずだ。

◆ジャンプ男子の北京五輪代表 6日W杯終了時点で派遣推薦基準(8位以内1度以上、10位以内2度以上ほか)を満たし、個人総合上位5人が代表入りする。選考期間でW杯はあと2戦。4日インスブルック、6日ビショフスホーヘン(ともにオーストリア)の成績で決まる。

◆ジャンプ週間と五輪 前回の18年平昌五輪は全勝で完全制覇したストッフ(ポーランド)が五輪個人ラージヒルで2大会連続の金メダルを獲得した。98年長野五輪ラージヒル金メダルの船木和喜も同シーズンのジャンプ週間で日本人初の総合優勝を果たしている。87-88年シーズンのジャンプ週間総合覇者、ニッカネン(フィンランド)は88年サラエボ五輪でノーマルヒル、ラージヒル、団体で金メダルを獲得し、3冠を達成した。

<ジャンプ週間メモ>

◆開催 W杯発足前の1953年に始まり、今季で70回目。五輪や世界選手権と同等かそれ以上とされる大会。ドイツとオーストリアで4大会8回の飛躍合計得点で総合優勝を決める。ノックアウト方式を採用。次戦1月4日、最終戦は同6日(ともにオーストリア)。

◆総合優勝 最多は5度のアホネン(フィンランド)。日本人の総合優勝は97-98年の船木と18-19年の小林陵の2人。優勝回数は船木が5勝で小林陵が7勝に。

◆完全制覇 01-02年のハンナバルト(ドイツ)、17-18年のストッフ(ポーランド)、18-19年の小林陵の3人。小林は18-19年に13勝を挙げ、欧州勢以外初のW杯個人総合Vを果たした。