痛い敗戦を喫し、ホーム連勝が「14」で途絶えた。暫定2位アランマーレ山形は、同3位ルートインホテルズにセット(S)カウント2-3で逆転負け、3位に転落した。2Sを先取も、気迫あふれるプレーに阻まれ2-2のタイに。最後はジュースの末に1勝を逃した。大卒1年目のリベロ長尾のどか(23)が明るい笑顔とプレーでチームをけん引。今日23日のブレス浜松戦も全力で勝利に貢献する。

    ◇    ◇    ◇  

アランマーレ山形が2時間20分の熱戦の末、競り負けた。2-2の第5Sで相手のマッチポイント。最後の得点を奪われ、19-20シーズンから続くホーム連勝が途絶え、会場は一気に静まり返った。試合後、長尾は「たくさんの方に見ていただいてすごく力をもらえた。明日や来週に切り替えて、ファイナルでは必ず取り返せるようにやっていきたい」と前を向いた。

試合中は“笑顔で喜ぶこと”を前面に出した。「今の私にできることはチームを前向きに盛り上げ見ている方々と一緒に楽しむこと」。得点を奪えば笑顔で喜び、会場の応援とともに仲間をもり立てた。良い雰囲気で2Sを先取。ストレート勝ちも見えたが、悪夢が待っていた。北原勉監督(41)は「相手の思い切った攻めのサーブから守りに入ってしまい、ディフェンスラインが崩れて第3、4Sは取られてしまった」。第5Sはジュースまで粘るも、あと1歩及ばなかった。

持ち味を存分に生かす。高校までアタッカーだった長尾は大学ではセッターやセカンドリベロとして試合に出場。だが、リベロでの試合経験は「ほとんどない」。昨年4月の入団会見では「いろいろなポジションをやって得た経験がある。各ポジションの目線になって考えられることが強み」と語り、高みを目指してきた。あれから約10カ月半。北原監督は「着実にレベルアップはしている。このまま向上してほしい」と期待を寄せた。

11日、開幕から8試合出場の溝口由利香(26)の退団が発表され、リベロは長尾ただ1人となった。「リベロが違って負けることは絶対にしたくない。溝口さんの姿を見て学んだことを自分の中で消化して反映していけたら」。連勝は止まったが、V2優勝とV1昇格の目標は揺るがない。闘志を燃やして、ボールをつなげる。【相沢孔志】