ラグビーで1月に4季ぶり10度目となる大学日本一に輝いた帝京大は10日、新監督に元日本代表で同大学のFWコーチを務めていた相馬朋和氏(44)が就任すると発表した。

退任する岩出雅之監督(64)と都内で記者会見に臨み、相馬新監督は「毎日、夜寝る前、朝起きた時、責任の重さや岩出先生のやってきたことの偉大さに押しつぶされそうになりましたが、このチームをさらに、未来のチームにできるように頑張っていきたいと思います」と決意表明した。

相馬新監督は東京高、帝京大を経て、三洋電機(現埼玉パナソニックワイルドナイツ)入り。日本代表として07年W杯フランス大会に出場した。現役引退後はコーチとしてパナソニックや帝京大を指導してきた。

バトンを教え子に手渡す形となった岩出監督は、96年に帝京大の監督に就任。09年度から前人未到の全国大学選手権9連覇を達成した。19年W杯日本代表にはフッカー堀江翔太、坂手淳史、フランカーのツイ・ヘンドリック、NO8姫野和樹、SH流大、SO松田力也、CTB中村亮土と最多7人を輩出した。

26年間の監督生活を振り返って岩出監督は「対抗戦グループの中で早稲田、慶応、明治さんといった大学と戦いながら、挫折感も味わいながら、1つ1つ、多くのことを学ばせていただいた」と思いを込めた。

帝京大監督就任時の1年生だった相馬新監督に向けては「『将来は彼に託すのかな』と(相馬新監督が)選手の途中から思っていました。後輩たちへの愛情ある接し方、1つ1つ、彼が持っている物が指導者として魅力的。これからは彼自身が挑戦して、彼自身の力を高めながら、帝京のラグビーをよりたくましくしてくれる」と温かいまなざしを向けた。【松本航】