トヨタヴェルブリッツが日本代表NO8姫野和樹(27)負傷交代の窮地を乗り越え、10トライを積み上げた。

12点リードの前半19分、姫野は自陣ゴール前で相手をタックルして起き上がり、代名詞の「ジャッカル」で反則を誘うビッグプレー。だが、一連の流れで左太もも裏を痛め、プレーを続けられなくなった。サイモン・クロン・ヘッドコーチ(HC)は試合後、状態について「メディカルチームが評価し、明日のリカバリーなどを考えたい」と語るにとどめた。

主将が不在となったが、トヨタは一枚岩だった。24分にはラックサイドをフランカーの古川聖人(25)がついてトライ。一気に19-0と突き放し、後半も6トライを重ねた。日本代表SH茂野海人(31)は「士気は下がることはなかった。1人1人が『チームを引っ張ろう』という気持ちが強かった」。クロンHCも「非常にいい試合だった。ポゼッション、ボール争奪戦に早く行く、攻撃と防御の切り替えも良く、防御ではラックをスローにできた」と選手の奮闘をたたえた。

相手のリコーブラックラムズ東京(BR東京)と3トライ差以上で得られるボーナス点も引き寄せ、勝ち点5の上積みでプレーオフ圏内の暫定4位に浮上。5月1日に第15節を控える東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)などとのプレーオフ争いは、最終節で決着がつく。茂野は「スコアボードを意識すると、自分たちのプレーに集中できない。『他のチームがどうか』じゃなく、自分たちがどうするかにフォーカスしたい」と言い切り、最終節の東京サントリーサンゴリアス戦(7日、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場)に向かう。【松本航】

 

◆4位争い(暫定順位)

<4>トヨタヴェルブリッツ(勝ち点46)※残り1試合=東京サントリーサンゴリアス戦

<5>東芝ブレイブルーパス東京(勝ち点44)※残り2試合=東京サントリーサンゴリアス戦、静岡ブルーレヴズ戦

<6>横浜キヤノンイーグルス(勝ち点41)※残り2試合=コベルコ神戸スティーラーズ戦、NECグリーンロケッツ東葛戦