花園(近鉄)が、トップリーグ時代の17年度以来の1部昇格を決めた。リーグ2位で臨んだ順位決定戦は34-22で同1位の相模原(三菱重工)に勝って2連勝。リーグ戦で2連敗していた相手に雪辱を果たすとともに、新リーグ創設初年度で2部優勝。1部自動昇格となった。コロナ禍で中止が相次いでおり、水間ヘッドコーチは「試合にたどり着くまでが大変だった。自分を信じ、仲間を信じて臨んだ。満足しています」とホッと胸をなで下ろした。

前半5分に左ラインアウトからロックのワクァが先制トライ。6分後にはオーストラリア代表75キャップのSOクーパーの華麗な飛ばしパスからWTB片岡がインゴールへ。ワクァと片岡は前半だけで2トライずつを挙げた。一時は5点差に迫られた後半、ゴール前まで攻め込まれてもFW陣がスクラムで踏ん張った。

後半28分には天理大出身の日本代表CTBフィフィタとクーパーの好連係からダメ押しトライ。フィフィタから「先生」と呼ばれる34歳クーパーは「こみ上げてくるものがある。最終的には日本一を目指す」と宣言。関西勢は来季、花園と神戸(旧神戸製鋼)の2チームが1部、規模を縮小する大阪(NTTドコモ)は3部降格になる見通し。フランカー野中主将は「関西を盛り上げたい」。古豪復活への第1歩を刻んだ。

 

◆花園近鉄ライナーズ 1927年(昭2)にラグビーチームとして活動が始まり、花園ラグビー場が開設になった29年に大阪電気軌道(近鉄の前身)ラグビー部として創部。36年大阪実業団大会で初優勝。第2次世界大戦中の41年には出征部員の壮行試合を開催し、44~49年には花園が農地として接収された。日本選手権は66、67、74年度に優勝。トップリーグは初年度から参戦し、11年度の5位が最高成績。主なOBに元日本代表WTBの坂田好弘氏、トンプソン・ルーク、大西将太郎らがいる。本拠地は東大阪市花園ラグビー場(約2万7000人収容)