テニス界の変人、世界78位のブノワ・ペール(フランス)が、ウィンブルドンとロシア問題に、「ロシアやロシア選手には申し訳ないが、トラブルを起こしているのは彼らだ」と、ロシアをぶった切った。

加えて、ATP(プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)が世界ランキングのポイントを大会に付与しないことについても、「何で、俺らがロシアのための犠牲にならないといけないんだ」と激怒した。

ポイントがつかないことで、現在、世界2位でロシア出身のメドベージェフが、ウィンブルドンで1位になる可能性が高い。「メドベージェフが世界1位になる? そんなのおかしいだろう」と、ペールはほえる。

ATPがポイントを与えないことは「選手全員にペナルティーを与えるようなもの。全く理解できない。ATPは、ロシアを守るのか、他の多くの選手を守るのか。そこをはっきりさせろ」と、息巻いた。

そもそも、ペールは試合に敗れており、会見の要請はなかった。しかし、自ら会見をやりたいと申し出た。「(自分の)試合のことを話すつもりはない。ウィンブルドンについて話したい。だから、皆さんを呼んだんだ」と、呼ばれもしないのに、自ら会見を申し出る前代未聞の行動で訴えた。

ペールは変人で有名だ。18年全仏2回戦で、錦織圭と対戦する前に、髪の毛の色を白に近いグレーに変え大胆なイメチェン。ひげは黒のままで、まさに顔面ツートンカラーに。「いやー、おら(ドラゴンボールの)孫悟空みたいだろ」。

16年リオデジャネイロ五輪では、フランス代表の規律を乱したという理由で、選手村から追放された。プレースタイルも、まさに神業のようなショットを放ったかと思えば、普通のテニス愛好家でもミスしないようなショットをミスする天才肌だ。

◆全仏オープンテニスは、5月22日から6月5日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでライブ配信される。