国際オリンピック委員会(IOC)は24日、オンラインで理事会を行い、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ・オリンピック(五輪)の実施種目を決めた。ジェンダー平等の観点から一部で除外の懸念が報じられていたノルディックスキー複合は男子の存続が決定し、国際スキー連盟(FIS)が格差是正のため要望していた女子は採用が見送られた。

26年大会の開幕まで4年を切っており、選手への影響を考慮して実施することになった。しかし、1924年の第1回大会から実施されている伝統競技の存続危機は続きそうだ。

IOCは直近の五輪3大会でメダルを獲得したのは日本、ドイツ、オーストリア、ノルウェーの4カ国で、観客数が最低だったと指摘。シュトス・プログラム委員長は国際的普及や人気を問題視し、改善されなければ「五輪で行うことは極めて厳しい」と語り、札幌市が招致を目指す30年大会では、再び除外の危機となることを示唆した。

複合は今年の北京五輪で唯一女子が行われなかった。FISは21年の世界選手権で初めて実施した女子の採用を目指した。しかし、IOCは国際大会の実績の少なさと、同大会での参加が10カ国・地域にとどまったとして採用を見送った。IOCとしては開催費の膨張を懸念し、出場枠をできる限り増やしたくない。一方で26年大会は追加競技で山岳スキーの採用も決まっていたという事情もある。

結果的に男子は最悪の事態を免れたが、選手数は北京の55から36に減らされた。日本のメダル有望種目にとって厳しい局面は続く。