バレーボールのVリーグ男子1部で2連覇中のサントリーサンバーズ大宅真樹(おおや・まさき=27)が主将3年目のシーズンへ向け、「主将として、もっともっと成長できるように」と覚悟を口にした。18日に都内で行われたVリーグ開幕会見に臨んだ。

主将に就任して2年目の昨シーズンは、リーグ連覇を達成。充実感を覚えた傍らで、重責を外れようか迷っていた。「山村宏太監督とは普段から仲が良いんですけど、『主将は絶対に嫌です』って言っていたんです」。

重たい口調で伝えたわけではない。ただ大宅は「結構本気でした」と明かす。「セッターをやっているだけでも、責任を感じてしまうタイプなんで。責任が二重に増えるのも嫌でした」。

思いが変わり始めたのは、8月から9月上旬に開かれた世界選手権。決勝トーナメント1回戦で、東京オリンピック(五輪)金メダルのフランス相手にフルセットへもつれる接戦を演じた。その立役者が、同試合で22得点を挙げた石川祐希主将(26)だった。

大宅は日の丸を背負うチームメートとして、石川のキャプテンシーに感銘を受けた。統率力。コミュニケーション力。同学年ながら、憧れを抱いた。

「劣勢になった場面で、必ず自分から選手を集めて話していて。だからこそ日本代表は、粘り強いバレーボールができているんだと思いました」

自分なら静かになってしまう局面でも、石川の声は途切れなかった。「同期でここまでできるなら、自分もやれるんじゃないか」。そう思わされた。

世界選手権から帰国後、サントリーの社長とともに会食する場があった。社長って、どういう道を歩まれたんだろう。どんなマインドをお持ちなんだろう。

思い切って、尋ねた。

「リーダーとして、どんな心がけでいますか?」

社長は驚いた表情をしながらも、真摯(しんし)に答えてくださった。

内容については「控えさせてください」と笑みを浮かべて閉口したが、確かに心に刻んだという。

今季のサントリーは、昨シーズンまでと顔ぶれが異なる。チームの支柱となっていた柳田将洋(30)がジェイテクトへ移籍した。「柳田さんは一番キャプテンらしい言動をされていて。僕はそれに甘えていました」。

だからこそ今季は、自分が引っ張らなければならない。言葉に覚悟が宿る。

「今年は違うなっていうのを、見せられると思います」。

「見せていきたい」ではない。「見せられる」と確かに言い切った。真剣な口調のまま続ける。

「なかなかすぐに、人って変われないと思います。それでも、自分なりに少しでも成長できたって思えれば、正解なのかなと思います」。

サントリーは10月22日に東レアローズとの開幕戦(大阪・スカイアリーナ)を迎える。生まれ変わった姿を見せ、大宅なりの正解を探すシーズンが幕を開ける。【藤塚大輔】