柔道のグランドスラム(GS)東京(3日から東京体育館)の前日取材対応が2日、都内で行われ、昨夏の東京オリンピック(五輪)女子52キロ級で金メダルを獲得した阿部詩(22=日体大)が「代表内定」へ燃えた。

10月の世界選手権(タシケント)を制し、この大会も優勝すれば、全日本柔道連盟が導入する早期内定制度で、来年5月の世界選手権(ドーハ)代表に選ばれる。2連覇が懸かる24年パリ五輪に向けた大きな前進となり「100%まではいかないですけど、試合はできる状態。10月の世界選手権が終わってからも、しっかり今大会に出ると決めていた。このGS東京を乗り越えれば、さらなる進化につながると思って出場することを決めていました」と意欲的に語った。

一方で「あまり内定、内定という気持ちで挑むと、そこに意識が向いて緊張してしまう。1つ1つ勝ち切るという思いでやっていく」。19年大会は、頂点に立てば東京五輪代表の内定を勝ち取れたGS大阪大会で準優勝だった。足踏みした経験を忘れず「しっかり、まずは決勝の畳に立つことが大事」と経験を生かす。

最終稽古が始まる前には、サッカー日本代表がFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグ最終戦でスペインに2-1で逆転勝ち。2大会連続のベスト16入りを成し遂げた。「本当に不可能なことはないんだなと刺激をいただいた。オンタイムではないんですけど、今朝からスペイン戦を見て、やる気をもらって調整に臨めました」と笑顔を見せた。

同じドーハで開催される来年の世界選手権「代表内定」へ、パワーを受けてGS制覇に挑む。【木下淳】