【トリノ(イタリア)=8日(日本時間9日)】日本初の表彰台独占へ、男子が好発進した。世界王者の宇野昌磨(24=トヨタ自動車)がSP今季世界最高の99・99点で首位に立った。10日のフリーでは高橋大輔、羽生結弦に続く、日本男子3人目の優勝が懸かる。94・86点の山本草太(中京大)が2位、87・07点の三浦佳生(オリエンタルバイオ/目黒日大高)が3位で続き、佐藤駿(明大)は76・62点で6位。06年トリノ五輪の会場からハイレベルな競演を届ける。

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最年少17歳の三浦が3位で出た。冒頭の2連続ジャンプ。4回転サルコーは美しく決めたが「完璧すぎて焦ってしまった」と続く3回転トーループで転倒する珍しいミスに「悔しいですが、これも勉強」。後半の4回転トーループは降り「そこは成長」と納得した。

追う宇野と山本の演技を「初めて見た」のは14年ジュニアGPファイナル。2人が金銀メダルに輝いた時で、まだ9歳だった。「本当にすごい先輩たちの隣にいることが今も昔も想像つかない」が、気後れする気はない。10年ぶりに日本勢4人が出場する今大会を「全日本inイタリア」と宇野らと楽しむ度胸がある。

「フリーでは、できる限り自分の最大限を引き出せるよう調整して巻き返したい。『美女と野獣』の世界観を表す練習を重ねてきたので、表現に4回転など技術がとけ込む4分間にしたい」。いざ、日本男子最年少17歳6カ月のファイナル表彰台を狙う。【木下淳】