ショートプログラム(SP)8位の14歳、中井亜美(MFアカデミー)が4位に食い込んだ。
大技トリプルアクセル(3回転半)に2本、成功してフリー137・02点、合計201・49点で大台に乗せた。
冒頭に3回転半を跳んだ…だけでなく、3回転トーループも付ける2連続で驚かせる。2本目はわずかに着氷が乱れたが、かろうじてGOE(出来栄え点)プラスと粘りの着氷で、ともに成功させた。以降もスピード豊かな軽快な滑りにジャンプをとけ込ませ、笑顔で演技を終えた。
日本女子で3回転半2発は浅田真央、紀平梨花、細田采花ら以来。中でも浅田に憧れる中井は「浅田さんの構成なので昔から夢でした」と喜んだ。2連続についても「練習でもアクセル-トー(ループ)は自信を持って跳べているジャンプなので、本番でも決められてすごくうれしかったです」と振り返った。
一方で最後は3回転ルッツに2連続のダブルアクセル(2回転半)を付け忘れてしまった。「5点くらい…。それで順位が変わることがあるので、もったいない」と悔やんでいたが、実際に3位の島田麻央(木下アカデミー)とは1・30点差。「演技後に中庭先生(健介ヘッドコーチ)から『ダブルアクセル、忘れてたよ』と言われて気付いちゃって。なかなか降りられなかったトリプルアクセル2本を決められた喜びで忘れちゃった」と笑うしかなかったが、この糧は今後に生かす。幻の実現は次へ持ち越した。
成績としては、昨年のSP27位(ショート落ち)から大きな飛躍。今月上旬のジュニアグランプリ(GP)ファイナルで4位になった後、目標を掲げていた。
「SPからトリプルアクセルを入れられるように。通過してフリーで自分の納得いく演技をすること、そしてトリプルアクセル2本構成にできたら」。しっかりと目指した演技を成し遂げた。
新潟市出身で今年、千葉・三井不動産アイスパーク船橋に拠点を移し、MFアカデミーで技術を磨いてきた。今季のGPスケートカナダで優勝した渡辺倫果(20=法政大)と3回転半を競い合っていることも大きかった。
「よく『姉さん』(チーム内での渡辺の愛称)から『自主練しない?』と誘われて、決めた本数で対決していて、負けた方がおごることになっているんです。勝敗の数は、どっちもどっちです(笑い)負けた時はスタバとか買わされてます(笑い)」
そんな、シニアのGPファイナル出場者(4位)の渡辺らと高め合える環境で成長し、全日本で4位と大きな飛躍を遂げた。将来の夢は「オリンピック(五輪)で金メダル」。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の出場資格もある。その前に、今季の目標は世界ジュニア選手権(来年2~3月、カナダ・カルガリー)出場。その日本代表入りの可能性は十分にある。【木下淳】


