山形中央は、昌平(埼玉)を2-0で下し、2年連続初戦を突破。16強入りした昨年の大会で「決定力不足」を課題に挙げた日塔響生(2年)がチーム最多の11得点をマークした。

確かな成長を示した。1-0で迎えた第2セット(S)、スコアは15-14。1点リードの重要な場面で日塔の頭上にトスが上がる。勢いよくコートを蹴り上げ、右手で左から対角線上へズドンと、強烈なスパイクを放った。「勝利につなげられた」。同Sは25-20。一時は追いかける展開が続いたが、要所で勝負強さを発揮してチームを救った。

昨年度、日塔は初めて春高の舞台を経験した。ポジションは攻撃専門のオポジット(OP)。当然、得点を期待されたが「チャンスボールを逃し、しょうもないミスで下げられることもあった」。チームは16強入り。だが、素直に喜ぶことができず、結果を出せなかった悔しさだけが残った。

見返すための1年が始まった。新チームが始動しOPから攻撃の中心であるレフトへコンバートされたが「(日塔に)レフトは無理だ」と不安視する声が上がった。日塔は「表情には出さなかったけど、内心はすごく悔しかった」。反骨心が自然と芽生え、人一倍、居残り練習で汗を流した。ジャンプ力の向上にも、これまで以上に取り組んだ。「最高到達点は1年間で10センチ伸びた。(相手の)ブロックが鮮明に見えている」と成果を実感。スケールが一段とアップした。

目標は「日本一」ときっぱり。今日6日の3回戦では近江(滋賀)と対戦。勝てば初の8強入りとなる。「3年生を勝たせるつもりで戦っていきたい」。貪欲に勝利を追い求め、成長曲線を描いていく。【佐藤究】

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