2連覇を狙う埼玉(旧パナソニック)が唯一の開幕4連勝で首位を維持した。
昨季5位のトヨタ(旧トヨタ自動車)に34-19で勝利。シンビン(10分間の一時退場)で数的不利が2度ありながらも、右腕の骨折から復帰した19年W杯日本代表プロップのバル・アサエリ愛(33)らが要所を締めた。9月8日に開幕するW杯フランス大会へ、オーストラリア代表WTBマリカ・コロインベテ(30)も2トライ。リーグ屈指のタレント軍団の歯車がかみあってきた。
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あまりの迫力に、観衆7080人がどよめいた。埼玉7点リードの前半26分。日本代表FB野口が自ら上げたハイパントで競り勝ち、こぼれ球がWTBコロインベテに収まった。約40メートル先のインゴール左隅へ、182センチ、96キロが一直線に駆けた。最後は空中でタッチラインを越えながらダイビング。相手のタックルをかわしきり、右手1本でトライを奪った。世界的スターは「ボールを置けた感覚はあった。(トライは)WTBの責任」と胸を張った。
点差ほど、一筋縄のゲームではなかった。前半34分にSH小山が危険なプレーで一時退場。攻撃の起点を失ったが、主将のフッカー坂手を中心に「近くの選手で(球出しの)判断しよう」と対応した。13点リードで主導権を保って折り返し、後半8分にはFW第1列を一気に交代。昨年9月の日本代表候補合宿で骨折し、前週に全体練習へ合流したバルは「もう気持ちです!」とスクラムを押した。同31分にコロインベテの2トライ目でだめを押し、坂手は「『明日は体が痛いだろうな』というゲーム。いい防御ができた」と全員が体を張った。
開幕から約1カ月が経過し、不戦敗を除いた昨季からの“全勝記録”(プレーオフ含む)は20に伸びた。昨秋の日本代表欧州遠征には7人を輩出。この日はバルに加え、前半11分に脳振とうの疑いで退いたものの、フランカーのガンターも実戦復帰した。ディーンズ監督は「困難を乗り越える度に強くなる」と言い切る。閉幕は5月。リーグ2連覇、その先に控えるW杯に向け、王者の強みが際立っている。【松本航】


