フィギュアスケートのアイスダンスで、今季の全日本選手権優勝や世界選手権11位の成績を残した「かなだい」こと村元哉中(30)高橋大輔(37)組(関大KFSC)が2日、現役引退会見に臨む。結成3季目の22-23年シーズンを持って競技活動から退く決断を、直接本人たちが説明する。

会場では、シングル時代に高橋を指導してきた長光歌子コーチのコメントが報道陣に配布された。

先月の世界国別対抗戦(東京体育館)では、高橋からお願いされ、ズエワコーチの代打でコーチ席に立っていた。

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哉中ちゃん、大輔君、現役引退発表との事、この3年間、本当にお疲れ様でした。

アイスダンスに挑戦すると決めてから、私が知るだけでも幾多の困難に直面し、ご当人達にはさぞ波瀾万丈な3年間であったろうと察します。

けれども大輔に会うたび、その緊張感のある澄んだ目を見て、「ああ、充実した時間を過ごしているのだな」と嬉しく思っていました。

昨年末の全日本が終わった頃から「来シーズンはどうするのかな?」と気になり始め、埼玉のワールドで「もしかしたら一区切り付ける気ではないか」との思いが私の中で大きくなっていきました。

もしそうなら最後の大舞台での彼らをこの目に焼き付けたいと、ワールドのフリーを見に行きました。

コロナ禍で制限されていた声出し応援が解禁された3年振りの会場で、足元が揺れるほどの大声援の中、彼らの素晴らしい演技が終了した瞬間、「見に来て良かった!!」と涙が溢れました。

国別対抗戦でリンクサイドに立って欲しいと大輔から依頼があった時、「やっぱり引退を考えているんだな」との確信に至り、いつもなら固持するところですが、後先考えずに「嬉しい!行く行く」と答えてしまいました。

17年振りの懐かしい東京体育館で、しかもフリーはオペラ座の怪人!!

そんな奇跡のような試合でリンクサイドに立たせてもらい、会場が一体となった完全な演技の披露や、演技後の会場が揺れるような大声援と共に、ピンクや黄色のK7D1バナータオルがお花畑のように溢れ日の丸が踊る会場を、彼らと同じ目線で見られた事、とても幸せに思います マリーナ先生、哉中ちゃん、大輔に感謝で一杯です。

そして、ここまで彼らを引っ張ってくださったコーチやスケート連盟、トレーナやファンの皆さまにも心より御礼申し上げます。

この3年間、どんどん上手くなって行く彼らの試合を見てきましたが、最近になって競技ルールに縛られない、自由な空間で感じるままに滑る彼らのスケートも見たい…との思いが頭の片隅で少しずつ大きくなっている自分も感じていました。

これからは、様々な場面で百花繚乱の如く鮮やかな姿を見せてくれるであろう2人に、今からワクワクしています。

今後のお二人の益々のご活躍、お祈り申し上げます。