「パリ内定第1号」となったサーフィン女子の松田詩野(20)が、大会全日程を終えて取材に応じ、「パリに向けて強い気持ちで臨んだ結果、取れてうれしい」と喜びを語った。

5日に国際連盟(ISA)からオリンピック(五輪)出場枠が与えられるアジア勢の最上位を勝ち取り、全32競技を通じて日本勢初となる24年パリ五輪出場権を獲得した。当日はメインラウンドで敗れたものの敗者復活6回戦に勝ち残った。「朝負けちゃってすごく落ち込んだけど、負けないで取るという気持ちだった。ジェットコースターのような1日だった」と振り返った。自身が内定第1号になったことはニュースで知ったといい、「うれしいです」と白い歯をこぼした。

17歳の19年WG日本大会でアジア最上位となり、条件付きで20年東京五輪代表に内定。しかしコロナ禍の延期を経た21年WGで日本3番手に沈み、当時の規定で代表権を剥奪され、自国の波を逃した。今回と同じエルサルバドルが開催国だった悲劇のWGから2年、苦い思い出を塗り替えたヒロインは、「悔しい思いがあった場所だったけど、同じ場所で五輪取れるチャンス。絶対いい思い出の場所にしたいと思って2年間努力した。前回の自分を超えられたかな」と確かな思いを口にした。

パリ大会のサーフィン会場はフランス領ポリネシアのタヒチ。世界最難関とされるポイント、チョープーでの競技に向けて準備を進める。「経験がないので海を知るところから。1年あるけどあっという間だと思う」とし、「チャレンジを楽しめるようにこの1年で成長したい。五輪を通して競技の魅力を伝えたいと小さい時から思ってきたので、メダルを取ることで伝えられたら」とメダル獲得へ力を込めた。