サーフィン男子の稲葉玲王(26)が23日、都内で行われた日本サーフィン連盟の会見に同席し、条件付きで出場権を獲得している24年パリ・オリンピック(五輪)への思いを語った。来年2月にプエルトリコで開幕するワールドゲームズ(WG)に出場すれば正式に五輪切符を獲得する。

念願のオリンピック初出場を決定的にしたが、思い出作りにするつもりはない。「五輪は自分の力を結果で証明するチャンス。もちろん金メダル一本を狙う」と断言した。

パリ五輪のサーフィン競技の会場はフランスから遠く離れた南太平洋に浮かぶタヒチ島にある“チョープー”。トップサーファーをもってしても難しい「恐怖の波」として選手たちから恐れられている。コンディションによっては7メートルの高さにまで及ぶ。稲葉は15歳の時に初めてこの波を経験した。「怖くて身体が固まりトラウマでもあった」。

だが、今の稲葉は巨大な波に真っ向勝負を挑むだけの力と気持ちの強さがある。技術的な面では海外との差を感じるとしつつも、「チョープーはチューブライディング(波の中をくぐる技)がほとんどになる。技術ももちろん大事だが、気合でも勝てるチャンスがある。気持ちが大事だと思います」。攻略困難な波だからこそ発揮できる持ち味がある。

10年に当時13歳でプロデビューし、少年時代から注目を集めていたが、五輪とは縁がなかった。13歳の自分に声をかけるとすれば「我慢すれば良い結果になる」。チャンスに恵まれないこともあったが、五輪切符をつかみ取った。初の大舞台でも気持ちの強さを見せる。【村山玄】

◆稲葉玲王(いなば・れお)1997年(平9)3月24日生まれ、千葉県一宮町出身。父が元プロサーファーで、幼い頃に競技を始めた。今年のジャパンオープンで初優勝。5~6月のワールドゲームズ(WG)で8位。右足を前にしてボードに乗るグーフィースタンス。千葉県一宮町は東京五輪会場となった。