日本（世界ランキング8位）の、この日のオリンピック（五輪）切符獲得は持ち越しとなった。セットカウント1－3で今大会初黒星となった。
来夏のパリ大会予選を兼ねるワールドカップ（W杯）第6戦で世界1位のトルコと対戦した。ここまで5戦全勝同士の対決。3－1以内で勝てばプール2位以上＝五輪出場が決まる条件下、幸先よく第1セットは制したものの、第2セットで22－25の逆転負け。今大会、初めてセットを落とすと、最強国の勢いを止められない。第3セットも24－26で屈し、第4セットは12－25で突き放された。
6戦全勝のトルコはパリ行きチケットを獲得した。24日は日本とブラジルの1敗同士が、パリ切符の残り1枚を争う。
第1セットは先取した。主将のアウトサイドヒッター（OH）古賀紗理那（27）のフェイントで1点目を奪うと、絶妙なコースを突くスパイクや力強いバックアタックで得点を重ねた。
日本の先発メンバーは古賀、OH林琴奈、OH井上愛里沙に、セッター関菜々巳、ミドルブロッカー（MB）渡辺彩、MB山田二千華、リベロ福留慧美。林のアタック、渡辺のブロックでもスコアを積み上げ、終盤には21－13など最大8点差までリードを広げた。
その後は世界最強国の意地で24－22の2点差まで詰め寄られたものの、最後は井上がブロックアウトを誘い逃げ切った。
5戦全勝同士。ともにパリ行きへ王手をかけて迎えた。第2セットも日本がリードする。関のサービスエース2本に、大会途中から先発に抜てきされた渡辺のアタック、ブロックで数字を稼ぐ。中盤まで5点差をつけていたが、徐々に日本のアタックが封じられ始めた。気付けば22－22。さらには22－23とされ、この試合で初めてのリードを許すと、のみ込まれる。最後はブロックを浴びて22－25。今大会初めてセットを落とした。
トルコには絶対的エースのメリッサ・バルガス（23）がいた。元キューバ代表で21年に同国籍を取得。序盤こそ本調子ではなかったが、最高到達点3メートルから打たれれば触ることすらできない急角度のスパイクに、第2セットには194センチの長身から時速102キロのサーブを打ち込んだ。場内をどよめかせ、SNS上にも「えぐ」の文字を頻出させた。
今年のネーションズリーグ（VNL）も優勝。他にも195センチのカラクルト、198センチのギュネシュが高い壁となった。日本はアタックの打ち分け、スピード感あふれる連係で対抗した。
第3セットも一時6点ビハインドと苦戦が続いたが、石川真佑や和田由紀子、宮部藍梨らフレッシュなメンバーを投入し、流れを呼び込む。アタック、ブロックで着実に差を詰め、ついに21－21。さらには24－22と優位に立ってセットポイントを迎えた。ところが、世界一のプライドに上回られた。バルガスら強力攻撃陣を止め切ることができず、ひっくり返されて24－26で落とした。この時点でパリ五輪切符の獲得は消滅した。
第4セットは大差だった。第5戦までチーム最多71得点の井上は、この日も2桁得点でチームに貢献したものの、上には上がいた。攻撃をつかさどるセッター関は、前日22日のベルギー戦を制した後に「この後の2戦のために、ずっとやってきたようなもの。1人1人が自分の役割をしっかり認識して、チームのために戦っていきたい」と話していたが、その思いは最終戦に持ち越す。
今大会は東京ラウンドなど世界3都市のプールに分かれ、各8チームが総当たりで対戦。上位2チームが五輪切符をつかむ。9日間で7試合の短期決戦も、残り1戦。日本は最終日の24日、世界ランク3位のブラジルと対戦する。
古賀「1－3で負けたんですけど、すぐ切り替えて、明日に向けていい準備をしたい。トルコは強豪国ということもあってシャット本数も多かったかなと思います。もう勝つしかない。明日、しっかり勝ち切りたいと思います」
石川「3セット目、リードしていて取り切れなかった。次のセットも自分たちのミスで、入りが悪かったなと思います。明日、試合が残っているので。勝ち切ってパリ五輪の切符をつかめるように、チーム全員で戦いたいと思います」
◆パリ五輪出場枠 開催国フランスを含めて12。五輪予選のW杯は世界ランキング上位24カ国が8チームずつ3組に分かれ、総当たりで対戦。女子は中国（プールA）日本（B）ポーランド（C）で開催されており、男子はブラジル（A）日本（B）中国（C）で30日に開幕する。男女とも各組上位2カ国の計6カ国ずつが出場権を獲得。残る5枠は、来年のネーションズリーグ（VNL）予選ラウンド終了時（6月）の世界ランキングで決定。日本が今大会で出場権を逃した場合は、そのVNLに出てポイントを重ねて、よりランキングを上位へ上げることが必要となる。W杯での大陸別の切符獲得状況も重要な要素となる。
