開志国際は福岡第一に113-90で快勝し、開幕から無傷の4連勝を決めた。主将のPG沢田竜馬(3年)が前半だけで18得点(計20点)。司令塔として相手の厳しいプレスをかいくぐりながら、得点にも顔を出した。昨年のインターハイとウインターカップで決勝対決していたライバルを、一蹴した。

むき出しの両肩を汗で光らせながら、沢田はコートで躍動した。第1クオーター(Q)の立ち上がりから両足のギアを全開にした。最初の得点を3点シュートで決めると、第1Qの10分間で14得点。ジャンプシュートを決めれば、ゴール下に切れ味鋭いドライブも見せた。「前半、ゲームの流れを相手に持っていかれなかったのは、自分が(得点を)量産できたから」と納得の表情だった。

富樫英樹監督(61)も、手応えのあった選手に沢田を一番最初に挙げた。「ゲームコントロールしながらシュートを決める。『突破してシュートをどんどん打て』と話していた」と指示を忠実に守ったPGを評価した。持ち前の3点シュートに加え、ドライブも抜群の切れ。厳しいマークがついた第3Qは流れを読んで、ゲームメークとアシスト(7アシスト)に徹するなど臨機応変にプレーした。「周りを使った」。第4Qはベンチを温めてゲーム観戦。試合終了を告げるブザーがなったときはコートにスタメンは1人もいなかった。

全勝対決の大一番、福岡第一戦を翌日に控えた9月30日は、学校の文化祭だった。沢田はチョコバナナの出店で接客に務め「完売した」と言う。全校生徒が投票する「ミスター開志」にも選出され、この日のゲームは気分よく暴れた。「相手の激しいディフェンスに負けないようにドライブで崩した。そうしないと相手は崩れない」。ライバルに快勝して沢田は「ミスター開志」にふさわしい笑顔を見せた。【涌井幹雄】