24年パリ五輪(オリンピック)シングルス代表選考レース3番手の伊藤美誠(23=スターツ)が、貴重な加点を逃した。

21年東京五輪金メダルで世界ランク3位の陳夢(29=中国)に0-3(8-11、2-11、6-11)と完敗。前後に揺さぶるラリーで得点を挙げた第1ゲーム(G)こそ「すごく良かった」と手応えを口にしたが、これで対戦成績は7戦全敗となった。中盤以降は苦笑いする場面も増え「2G以降(相手は)淡々。1G目の戦いができれば、少しずつ可能性がある」と目を赤く腫らした。

約8カ月後の五輪へ、重要な一戦だった。

今大会はシングルス代表枠を争う国内選考レースの対象外だが、対中国トップ3に勝利時は、10点(準決勝以降は15点)を加算できた。世界ランク上位16人のみが出場できる舞台で、選考レース2番手の平野美宇は不在。先月下旬には「(中国トップ3に)勝つことが成長につながるし、自信になる。それで自然と(選考ポイントなど)いろいろついてくる」と見据えていた。

だが、逆境に陥った。

大会前に体調を崩し、発熱はないが声も出しづらくなった。前日は1回戦突破も「何もしていないけれど、自分の自己管理があまり…」と普段の笑顔はなかった。

選考ポイントで平野と34・5点差は変わらない。銅メダルを獲得した東京五輪後は「パリ五輪で優勝することが目標」とシングルスに強いこだわりを示してきた。運命は年明けの全日本選手権(東京)で決まる。優勝者に120点など高いポイント設定の最終決戦。逆転の可能性を信じ「体調管理をしっかりして、初戦から楽しんでできるように練習していきたいです」と準備する。【松本航】

◆24年パリ五輪代表争い シングルス代表枠は2。約2年間の選考レースで残す大会は来年1月の全日本選手権(優勝120点など)のみ。ポイント上位2人が選出され、女子は1番手独走の早田が決定的。2枠目を2番手の平野、3番手の伊藤が争う。3人で構成する団体戦出場枠を獲得できた場合、残り1人はシングルスで選出した2人とダブルスが組め、団体戦での活躍が期待できる選手に決まる。今大会は世界ランク上位16人が出場。同上位3人以内の中国勢に勝利時のみ、五輪選考ポイントで10点(準決勝と決勝は15点)が入る。選考レース2番手の平野は出場していない。

◆パリ五輪シングルス選考ポイント上位

〈1〉早田ひな 790・5点

〈2〉平野美宇 486点

〈3〉伊藤美誠 451・5点

〈4〉木原美悠 354点

〈5〉張本美和 330・5点