北京五輪銀メダリストで3月の世界選手権(モントリオール)代表の鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)がフリーでの4回転フリップ投入を明言した。SPでは4回転サルコーの転倒はあったが、94・14点と高得点に乗せた後、翌日のフリーへ「フリップを加えようかな。このインカレで挑戦できたら」と見通した。

左足首の故障からの復帰シーズンとなった今季は、負担のかかる4回転ジャンプの解禁を慎重に見極めてきた。昨年末、2位で終えた全日本選手権のフリーでは、サルコー、トーループの2種類2本で「納得のいく演技をすることができた。やっと次の段階に進める」と次なる大技にゴーサインを下した。

全日本後に構成の変更に着手。4回転は3種類3本にし、振り付けも手直しを行ってきた。ローリー・ニコル氏、カロリナ・コストナー・コーチとともに、「手の動かし方など細かいところもしっかりと手直し加えた。プログラムの密度としては変わらないか、それ以上になっているかな」。ジャンプを難しくしたことで、こだわってきた表現面をおろそかにはしない。高いレベルでの融合を目指し、「攻めていきたい」と力を込めた。

「トップを狙いつつ、300点を超えるため、ノーミスの演技をするために」。年明け早々の高難度への挑戦の意図を説く。今季前半の国際大会でイリア・マリニン(米国)や宇野昌磨らと競り合い、大技の必要性を痛感しながら、我慢してきた面もある。年が明け、3月の世界一決定戦へ向けて、いよいよ渡り合う。「同じラインで戦っていける」。勝負を意識しながら、後半戦は滑り抜く。

構成の手直しで、年末年始の休日は1日だけ。熱田神宮への初詣は「1年間、ケガをせずに過ごせますように」と願ったが、おみくじは引かなかったという。「そういうのに気持ちを左右されたくない。自分の道は自分で決めたいなって」と笑顔ながら毅然(きぜん)と言った。

この日の演技では全日本に続いてサルコーでの転倒があった。父の正和コーチに「何がいけないんだろう」と問いかけると、「自信だよ」と返された。新たな高難度構成に挑むための肝も、同じだろう。「自分の道」。24年は、再び武器となる大技も携え、世界の頂にを目指す。