バレーボール男子の世界選手権は15日にマニラで行われ、世界ランキング7位の日本が、1次リーグで姿を消した。
同9位(現8位)のカナダにセットカウント0-3で敗戦。13日のトルコ戦に続き、ランキング下位チームからまさかの2戦連続ストレート負けを喫した。エース石川祐希(29=ペルージャ)が、最後まで状態を上げることができず。銅メダルを獲得した1974年以来51年ぶりの表彰台を目指したが、17日のリビア戦を前に決勝トーナメント(T)進出の道が断たれた。
セットカウントを1セットも奪えずに1次リーグ敗退が決まるなど、誰が予想できただろうか。ただ、初戦のトルコ戦をストレートで落とした際に、キャプテンの石川は「今のままだと次も苦戦する」と語った。その悪い予感は的中。カナダ戦の敗戦の後に「切り替えたつもりだったが、結果を見れば切り替えることができていなかった」と振り返ったように、最後まで「負の流れ」を断ち切ることができなかった。
第1、2セットの序盤は、日本に流れがあったように思われた。だが、中盤に強いサーブで攻められ、我慢しきれずに連続で大量失点。石川、高橋藍(サントリー)の両軸が徹底マークにあい、全体的なアタック決定率を上げることができなかった。終盤に代わったメンバーの躍動で反撃したものの、あと1歩及ばずに逃げ切りを許す。第3セットは石川やセッター大宅真樹(日本製鉄堺)、リベロ山本智大(大阪B)を下げ、セット頭から選手を大きく入れ替えたが、ロラン・ティリ監督の判断も遅かった。初戦トルコ戦と完全に同様の負けパターン。主将は「力がないチームだと改めて感じた」と唇をかんだ。
主力に頼り切りのチームでは、限界があることが明白になった。アタッカー西田有志(大阪B)、セッター関田誠大(サントリー)らが今季の代表活動を休養。ネーションズリーグで銀メダルを獲得し、パリ五輪で善戦した昨季の中心メンバーから約半数が入れ替わった。新たに加わったセッターとのコンビネーションの精度やセンターラインの攻撃など課題が露呈。合宿を通して見直してきたはずだったが、最後まで改善は見られなかった。パリ五輪代表の甲斐優斗(専大)や大塚達宣(ミラノ)ら次を担う世代も、石川や高橋が合流してからは出場機会が限られ、実戦での成長機会は乏しかった。3年後を見据えて選手層を強化したかったはずだが、その点においても中途半端感は拭えなかった。
4強に輝いた女子と対照的だったのは、コート上での表情だ。大会前から兆候はあった。直前に行われたイタリアとの壮行試合では、リベロ山本が雰囲気の暗さを指摘。石川も同調し、「1人2人違うだけでも雰囲気はがらりと変わる。もっと締まった雰囲気でプレーすることが今のチームには必要」と説いていた。だが、この日も選手の表情は終始硬いまま。空気を一変させるような選手は、全く見当たらなかった。パリ五輪で前回大会覇者のイタリアを苦しめた昨季は、劣勢の中でも笑顔で試合を楽しむムードがあった。
最終リビア戦は、28年ロサンゼルス五輪の出場権がかかるアジア選手権を控えた来季へ向け、仕切り直すための一戦となる。「この一戦にどう向き合っていくか」と石川。目指すべき場所へ、1つでも手応えを見つけたい。【勝部晃多】


