女子1000メートルで吉田雪乃(22=寿広)が五輪代表入りを確実にした。

26年ミラノ・コルティナ五輪の最終選考会で、日本連盟が設定した派遣標準記録の最高位「SS」1分14秒67を0秒01上回る1分14秒66をマーク。500メートルに続いて2種目で五輪行きを決めた。代表入りが内定していた高木美帆(31)が1分14秒53で連覇。男子1500メートルは野々村太陽(24)が優勝し初代表の権利を手にした。

   ◇   ◇   ◇

五輪金メダリストに肉薄した。吉田は苦手な1000メートルで高木を追いかけた。「バテていたが、足をがむしゃらに動かそうと」と迫り、0秒13差でゴール。堂々と2種目で代表入りを手にした。レース後には足をつりながら「今までの1000メートルのレースの中ではよかった。年末、これで終われてよかった」と笑った。

前日の500メートルと同じく実力者と並んで走った。本職では0秒24上回ってゴール。この日は600メートルまで先行し、最後に逆転された。「美帆さんはピークを持ってきているわけではない。本番ではもっと先を行っている方なので比較にはならない」と冷静に振り返りつつ「日本で一番大きな大会で滑れたのは安心できるポイント」とホッとした。

とことん競技に向き合う高木らと比べ、自身の武器を「スケートが嫌いなこと」と評する。「すごく調子が悪くても、嫌いなものは嫌い。感情が下回らないから、一定の気持ちでいられる」と明かしていた。得意な500メートルより、1000メートルは「疲れるので」とさらに嫌い。それでも2種目で五輪を目指し、バイクトレーニングの負荷を増やすなど筋力強化。「1000が速くなれば500も速くなる」と苦手と向き合った。

大会前日には珍しく「今回は調子が悪い」と漏らした。この日も「苦手は苦手。滑りたくないのは滑りたくない」と告白したが、マイナス感情ではない。嫌いだからこそ結果を残せた。

五輪メダルが期待される500メートルに、もう1種目を加えた。家族は2種目とも現地で観戦予定で「ホテルも用意しているし、航空券もキャンセルが利かない。変な滑りはできない」。父母が見守る前で2枚の切符を獲得した。「1000メートルでも戦っていかないといけないと改めて思った」と気を引き締める。手にした切符をメダルに引き換える戦いが始まる。【飯岡大暉】

◆吉田雪乃(よしだ・ゆきの)2003年(平15)1月29日、岩手県盛岡市生まれ。小学校4年の時に競技を始める。陸上との二刀流から、盛岡工時代にスケートに一本化。22年世界ジュニア選手権1000メートル優勝。24年W杯長野大会で500メートル初優勝。今季は第4戦ハーマル大会で500メートル金メダル。地元盛岡を拠点に活動を続け、趣味は犬鑑賞とスイーツ巡り。167センチ、56キロ。

○…男子1500メートルで野々村が初の代表入りを確実にした。大会新記録の1分45秒26で優勝を飾り、派遣標準記録のSSに次ぐ「S」1分45秒51を突破した。「タイム、順位ともにホッとしている。最低条件をクリアできた」と喜んだ。高木らが所属する「teamGOLD」の一員として活動して成長し、「取り組んできたことが出せてよかった」と笑顔を見せた。1000メートルでも代表入りを狙う。