日本女子ジャンプに新星が誕生する。5日開幕の宮様国際スキーに、カナダ生まれのATSUKO・TANAKA(18)が出場する。4月からすでに内定を受けている北翔大に進学。国籍も日本を選び「田中温子」として、日本を拠点に新たに競技生活をスタートさせる。

 両親ともに日本人だが、生まれも育ちもカナダ。10歳からジャンプを始め、13歳の時にコンチネンタル杯サマー(米パークシティ)で初優勝。16歳の08年、同杯で2勝目を挙げた。同国でも期待は高かったが「カナダで進学すると、サポート態勢もなく競技をあきらめないといけなかった」と日本行きを決断。「新たな道が開けてとてもうれしい」と笑顔をみせた。

 地元開催のバンクーバー五輪では、テストジャンパーも務めた。「ワクワクしました。いつか夢でもあるオリンピックに出場したい、という思いがより一層強くなりました」と話す。日本女子ジャンプ界としても、田中の加入は確実にプラスになる。全日本の渡瀬弥太郎ジュニアチーフコーチ(49)は「非常にいいものを持っているし、実績も抜けている。いずれナショナルチーム入りすることでみんなが刺激を受けると思う。大いに期待しています」と口にした。

 左足前十字靱帯(じんたい)損傷を乗り越え、昨年10月から本格的に練習を再開。復帰初戦となった2日の国際蔵王大会は16位に終わったが、4日の公式練習では87・5メートルとまずまずのジャンプをみせた。「だいぶ感覚が戻ってきています。上位に入賞して今後に弾みをつけたい」。もうすぐ主戦場となる場での活躍を誓った。【奥村晶治】