レスリングの世界選手権で10連覇し、五輪と合わせて史上初の世界大会13連覇を達成した吉田沙保里(30=ALSOK)が、国民栄誉賞を受賞することが決まった。政府が23日の閣議で正式に決定した。栄誉賞は昨年のサッカー女子日本代表なでしこジャパンに続いて20例目。授与式は11月7日に行われる。都内で会見した吉田は、副賞の記念品に地元三重県にゆかりがある宝飾品会社「ミキモト」の金色の真珠を熱望した。
肩の力が抜けた、飾らない会見だった。国民栄誉賞の正式決定を受けて、吉田は午後3時すぎから都内ホテルで喜びを語った。「こんなに名誉ある賞をいただけて本当にびっくりしました。国民の皆さんに私の背中を押していただいた」と感謝した。ただ、堅い言葉は冒頭だけ。その後は吉田らしいユニーク会見となった。
5日で30歳となったことで「恋愛」の話題を振られると「そちらの方は全然進んでおりません。いい人が欲しいなと思いますけど、徐々にでいいかな」。所属先でCMに出演する「ALSOK戦隊」の国民栄誉賞バージョンの撮影意欲を聞かれると「私は全然受けますし、子どもたちの安全を守っていきたい」と真顔で受け答えした。最後の写真撮影では大好きなアイドルグループNEWSの「チャンカパーナ」のポーズを披露。日本レスリング協会の栄女子強化委員長の肩に乗るお決まりのポーズにも応えた。
自然体の自分を表現した吉田だが、その身に飾りたい物が1つだけあった。栄誉賞受賞者には賞状と盾、そして副賞の記念品(100万円相当)が贈られる。「私は三重出身なので、地元のミキモトさんの真珠を金色でつくっていただけたらうれしいな」と打ち明けた。これにはミキモトの広報も「弊社の名前と真珠を取り上げていただいて非常に光栄。ゴールドパールもございます」と話した。
スイスの高級腕時計「パテック・フィリップ」を贈られた女子マラソン高橋尚子さんのように、副賞は受賞者の希望がかなうこともある。「今後は世界大会14連覇、16年リオ五輪の金メダル獲得と、世界記録を更新していくことが国民栄誉賞にお応えすることになる」。さらなる金メダルを目指す吉田が、金色に輝く真珠を身につけるかもしれない。【今村健人】
▼吉田は世界選手権で02年から負けなしで今年9月に10連覇。五輪は04年アテネ、08年北京、ことしのロンドンと3連覇した。13大会連続世界一はロシアの英雄で男子のアレクサンドル・カレリン氏の記録を上回り、14日にはギネス世界記録の認定証を受け取った。国民栄誉賞の第1号は本塁打世界新記録を達成した王貞治氏。スポーツ界から柔道の山下泰裕氏、マラソンの高橋尚子さんらが受賞、11年女子W杯で初優勝した「なでしこジャパン」は団体として初受賞した。


