今大会最多の7万103人の大観衆が詰め掛けた決勝で、イングランドは南アフリカに力負けした。前日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ監督(59)に率いられたが、03年以来2度目の制覇はならなかった。この結果、世界ランキングで南アフリカが10年ぶりに1位に返り咲き、イングランドは首位から3位に後退した。

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イングランドが南アフリカのフィジカルに屈した。前半からスクラムで圧力を受けると、反則やミスからPGで失点する苦しい展開が続いた。ラインを上げて阻止する攻撃的な防御で応戦し、攻撃でも左右への揺さぶりを試みたが、最後まで突破の糸口をつかめなかった。屈強なFWを中心とした南アにあと1歩及ばず、03年大会以来2度目の優勝はならなかった。

それでも、試合後のセレモニーで、前日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ監督(59)がメダルを受け取ると、スタジアムは大歓声に包まれた。指揮官は「スクラムで劣勢になり、それが他のエリアにも影響してしまった。よく準備し、情熱を持って戦ったが、少し足りなかった」と悔しさをにじませた。

地元開催の15年ワールドカップ(W杯)で1次リーグ敗退。地に落ちたラグビーの「母国」の再建を託されたのが、初の外国人指揮官として招かれたジョーンズ監督だった。選手に努力する覚悟と、自己犠牲の精神を求め続け、戦う組織をつくりあげた。17年にはテストマッチ18連勝の世界タイ記録をマーク。伝統の粘りの防御とセットプレーを武器に復活を遂げ、「第2の故郷」である日本でのW杯に乗り込んだ。

日本国内に幅広いラグビー人脈を持つ知将は、気候や文化への対応にもいち早く着手した。温泉で気分転換と疲労回復をはかり、高温多湿な日本では球が滑りやすくなることも見越し、せっけんをつけたボールでの練習も積んできた。準決勝では優勝候補筆頭のニュージーランドを圧倒するなど、一気に決勝までかけあがった。海外メディアからNZ戦との違いについて何度も聞かれたジョーンズ監督は「今夜、我々は世界で2位になったんだ。チームに誇りを持っているし、できることはすべてやってきた」と胸を張った。勝利はつかめなかったが、4年間の確かな歩みを世界に見せつけた。【奥山将志】