前回準優勝で日本と同じ1次リーグD組を首位で突破したイングランド(世界ランク5位)が、3位となった。同じくD組を2位で通過し07年以来の3位を狙ったアルゼンチン(同7位)と再戦。1点を追う後半4分にフッカーのセオ・ダン(22=サラセンズ)がキックをチャージし、そのまま逆転トライ。26-23で競り勝った。昨年12月に前監督のエディー・ジョーンズ氏(現オーストラリア監督)を解任。コーチから昇格したスティーブ・ボースウィック監督の下、大会前の厳しい下馬評を覆した。
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イングランドの伝統の白ジャージーが芝の緑、土の黒、そして血の赤に染まっていた。銅メダルを受け取り、背番号10を担う主将のファレルが言った。「今大会を正しく終えたかった。今年の我々の旅の大きな章であり、何人かにとっては終わりだった」。先発ハーフ団を組んだW杯4大会連続出場のSHヤングスは、この日で代表を引退。そんな仲間と3点差の勝利をかみしめた。
アルゼンチンとは開幕翌日の9月9日の初戦で激突した。ファレルは出場停止中。SOフォードの6PG、3DGで27-10と振り切ったが、ノートライだった。しかし、この日は前で体を当て続ける防御、精度の高いキックを軸に、前半7分に細かなパスからNO8アールが突破してトライ。後半開始早々に逆転を許したが、直後の4分にフッカーのダンがキックチャージからトライを決めた。将来有望な22歳は「国のために得点を決められて、とても興奮した」と喜んだ。
逆境は何度もあった。10カ月前の昨年12月にジョーンズ前監督が電撃解任。今年3月にかけて行われた欧州6カ国対抗は2勝3敗。本番直前のテストマッチは本拠に格下のフィジーを迎え、歴史的初黒星を喫した。それでもハードワークを怠らず、防御、キックなど強みを徹底的に生かした。ボースウィック監督は「7試合中6試合に勝ち、1試合は世界王者(南アフリカ)に1点差で敗れた。常に(W杯に)間に合うと信じていた」と胸を張った。ラグビーの母国は、全員の力で、誇りと伝統を守った。




