日本相撲協会は27日、東京・両国国技館で理事会、評議員会を開き、解雇された力士や親方など協会員には退職金にあたる養老金を支給しないか、減額するとの新たな規定を寄付行為に設けた。全協会員を対象に大麻や覚せい剤など違法薬物の使用をチェックする抜き打ち尿検査を実施するため、薬物使用禁止規定も新設した。

 これまで寄付行為の養老金についての支給規定には、除名の場合は支給しないと明記されていたが、解雇者については触れられておらず、請求があれば支給を拒否できなかった。

 昨年8月に大麻所持容疑で逮捕され、解雇となった元若ノ鵬からの請求で問題が表面化し、元若ノ鵬には支払われた。大麻所持容疑で1月末に逮捕され、解雇された元若麒麟は受け取りを辞退した。

 薬物使用禁止規定では、使用が認められると原則的に解雇とする。場合によっては解雇より重い除名処分や、処分軽減もあるとしている。検査を拒絶した者も処分の対象となる。尿検査については同意書を全協会員に配布し、すべて回収してから実施する意向。