大相撲で欧州出身初の大関で初優勝も遂げた琴欧洲親方(31)が4日、東京・両国国技館で引退相撲を行った。

 横綱白鵬や父ステファンさんら約350人がはさみを入れた。入場券が完売する中、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)に大銀杏(おおいちょう)を切り落とされた同親方は「満員御礼で、私の胸がつまって言葉が出ない。大勢のみなさんに『頑張れ、頑張れ』と言われるたびにグッときた。世界一幸せな男だ」と感謝した。

 今年1月には日本国籍を取得しており、今後について「自分を超える力士を育てたい。出来るか出来ないかは話は別だが(部屋を)持ちたい」と独立の意向をあらためて示した。

 琴欧洲親方は02年九州場所で初土俵を踏み、202センチの長身とイケメンで「角界のベッカム」として人気を博した。06年初場所に大関昇進し、在位47場所は史上4位。現役最後の相手となった白鵬は「彼と私で朝青龍関を追い掛けた。ライバル意識がありました。上半身の力は把瑠都関と2人で東西の横綱だった」と話した。

 同時期に同部屋に入門して切磋琢磨(せっさたくま)してきた大関琴奨菊も「努力を教えてくれた。ケガとの闘いもあったけれど、孤独の中で引退ということでお疲れさまと言っていいのか分からない。でも引退してからの方が元気だね」。親方としての相撲人生にも期待を寄せた。