中地区同士の最終決戦―。アメリカンフットボールの社会人王者を決める「第23回日本社会人選手権

 ジャパンX(エックス)ボウル」が21日、東京ドームで行われる。

 2年ぶり3回目のファイナル進出となった富士通は悲願の初優勝へ向け、万全を期す。今シーズンはチーム一丸、日本一へ向け、どこまで「本気」になれるかをテーマに取り組んできた。伊藤乃普彦主将は「Xボウル出場がゴールではない。そこで勝つことが目標なので、さらに気を引き締めて臨みます」と語気を強めた。

 ファーストステージからファイナルステージ準決勝まで8戦全勝。爆発的な得点力と安定した守備で勝ち抜いてきた。10点以上の大差がほとんどだが、唯一22―20の辛勝したのがファーストステージ第5節の鹿島戦だ。鹿島に2本のTDで先行されたが猛追。第4Qでは逆転に次ぐ逆転で場内を沸かせ、試合時間残り2秒でK西村がこの日5本目のFGを成功させて激戦を制した。

 今回も互角の力と力、意地と意地のぶつかり合いが予想される。藤田智HCにとって、鹿島の森HCは京大時代の先輩にあたる。2人は卒業後も京大でコーチングのノウハウを学んだ仲。気心の知れた間柄だけに両者は「やりにくい」と口をそろえる。これまでの同門対決は2勝2敗のイーブンだ。

 屈辱的な敗戦が現チームの再スタートだった。2年前の松下電工(現パナソニック電工)とのファイナルでは、ダブルスコア以上の大差で完敗した。藤田HCは「まだ未熟だった。やはりファンダメンタル(基本)がしっかりできていないと勝てないことが分かった。今年はそこを重点的にやってきた。前回とは大きく違う」と自信を示す。創部24年目、悲願の社会人王者まであと1勝だ。