<東京6大学野球:早大3-4明大>◇第6週初日◇17日◇神宮

 早大が3-4で明大にサヨナラ負けし、今節での優勝が消えた。先発の斎藤佑樹投手(2年=早実)は5回1/3を3安打4奪三振1失点と好投、リーグ通算三振を100個に伸ばした。6大学記録の476個を持つソフトバンク和田(早大)は100三振到達が2年秋。斎藤は和田を上回るペースで達成したが、松下建太投手(3年=明徳義塾)が明大・荒木郁也外野手(2年=日大三)にサヨナラ2ランを浴びた。

 はっきりと見えていたV4への最短ロードが、9回に突如消えた。2点リードでマウンドに上がった松下が、まさかのサヨナラ本塁打を浴びる。普段は陽気な兄貴分が、マウンドでうなだれる姿に、斎藤は掛ける言葉がなかった。「だいぶ落ち込んでましたし…。こういう時もある。仕方ないですね」と受け止めた。

 連勝なら早慶戦を待たずに、4季連続の優勝が決まる明大戦。斎藤は2回、6番荒木郁から142キロの直球で奪った三振で、リーグ通算100三振をマーク。「狙って取った」という空振りで、ソフトバンク和田を超える2年春で大台に到達した。6回途中と今季最短で降板したが「自分の役割は果たせたと思う」。3回には大学初のセーフティーバントを試みるなど、優勝に向けてハツラツと動いた。

 だが思いは届かない。連敗で勝ち点を落とせば、優勝自体が遠のいてしまう。77球で降板し、余力はある。「明日勝って、あさって投げるのが一番ですけど、どこかで必ず投げたい」とスクランブル登板を志願する。「ずっと連勝が続いていたし、これで目が覚めた部分もある」。応武篤良監督(50)は「帰って練習して出直します」とだけ話し、足早に神宮を去った。【前田祐輔】