<都市対抗野球(1次予選・宮城県大会):TFUクラブ5-4青葉クラブ>◇1日◇初日◇仙台市民球場

 ヤクルト由規(佐藤由規=18)の兄でTFUクラブの佐藤史規捕手(東北福祉大4年)が、サヨナラ勝利を呼び込んだ。開幕試合の青葉クラブ戦で先発マスクをかぶり、9番打者として4-4の9回裏1死二塁から中越え適時打をマーク。自身初のサヨナラ安打で5-4の勝利に導いた。

 同点で迎えた9回裏。佐藤が“弟の球に比べれば、ちょろい”とばかりに初球を中越えにはじき返した。弟由規は、昨夏甲子園で最速155キロをマークしたヤクルトの黄金ルーキー。サヨナラ打を含む2安打に佐藤は「自分のことで聞かれる(取材される)のは初めてです」と、はにかみながら「打ったのは真ん中高めのストレート。ファーストストライクを最初から狙っていました。サヨナラ打は初めてです」と笑顔を見せた。

 脚光を浴び続けてきた由規とは対照的に、下積み生活を味わってきた。東北高在学時は4季連続甲子園出場も、公式戦のベンチ入りはなし。同期のダルビッシュと真壁賢守(東北福祉大4年)のブルペン捕手や、データ班など裏方的存在だった。在学中の東北福祉大でもベンチ入りできず、2年秋に硬式野球部を退部。「大好きな野球を楽しみながらやりたい」と実戦の場を求め、同大OBらで結成されるTFUクラブに入部した。

 結束力の強い家族の中で、由規の心の支えになってきた。ヤクルト入団後の自主トレではキャッチボールの相手も務めた。「やっている世界やレベルは違っても、気持ちだけは負けたくない。(由規の球を)いつでも捕れるようにしたい」と野球を続けている。

 来春卒業後の就職先は未定だが「できれば野球を続けて、指導者にもなってみたい」と夢を広げる。今春、末の弟貴規も野手として仙台育英に入学。佐藤は「野球のできる環境を親がつくってくれた。一番下の弟の面倒もみたい」と3兄弟の長兄としての存在感を示した。【佐々木雄高】