<仙台6大学:東北福祉大6-0東北大>第1節初日◇1日◇東北福祉大野球場

 東北福祉大の2年生左腕・森山一茂(大分・楊志館)が、東北大戦で自身初のノーヒットノーランを達成し、雨で流れた2日遅れの開幕試合を飾った。公式戦自己最速の139キロを交えた108球で、打者28人を2死球9奪三振で料理した。リーグでは6年ぶり15度目(11人目)の快挙。チームは6-0で先勝し、5季連続55度目のリーグ制覇に向けて好発進した。

 もちろん、最後は狙っていた。9回裏2死走者なし。森山は、相手代打を公式戦自己最速の139キロで3球三振の空振りに仕留め、ノーヒットノーランを達成した。7回に2個目の死球を相手1番打者の頭部に当て、負傷交代させてしまった森山は「心配です。相手に失礼になるので喜べません」と、ガッツポーズもなく、謙虚に話した。

 リーグデビューの昨秋から登板11試合目。計51回1/3を投げて8勝無敗で、通算防御率0・69の安定感を証明した。山路哲生監督(42)は「1年から経験があり、負けず嫌いで人(打者)に向かっていく気持ちがある」と評価。さらに「エースに近いけれど、まだまだ。そのレベルになってほしい」と期待を込めた。

 今春の全日本大学野球選手権では先発した初戦から全3試合に登板。2勝をマークしたが、準々決勝(東洋大戦)は4回途中から3番手で登板し、5失点降板した。「神宮では130キロ後半くらいでは話にならない」と痛感し、夏場は走り込みや筋力トレーニングで下半身を強化。体重も春から6キロ増え、紅白戦では最速141キロをマークするなど球威が増した。北京五輪期間中は日本代表の試合もテレビ観戦し「低めでも置きにいった球は打たれる」と実感。終盤、疲れを感じたが「とにかく思い切り腕を振ることだけを心掛けました」と、強気の投球を押し通した。

 春から主戦の森山は「ここが始まりじゃない。常時140キロを投げられるようにし、変化球のスピードも上げていきたい。また挑戦したい」と話した。【佐々木雄高】