<社会人野球・都市対抗東北2次予選:JR東日本東北9-7七十七銀行>◇1日◇秋田・こまちスタジアム

 若き主砲のバットで、東京ドーム切符をつかんだ。決勝でJR東日本東北(仙台市)が9-7で七十七銀行(仙台市)を下し、3年ぶり22度目の本戦出場を決めた。4番DHの佐藤翔内野手(23=慶大)が3安打3打点と活躍。地元で自慢の打力を発揮した強打者は本戦での1発を誓った。敗者復活戦はTDK(にかほ市)が、逆転サヨナラで日本製紙石巻(石巻市)を4-3で破った。

 佐藤が190センチの巨体を揺らし、故郷で大暴れだ。初回1死一、二塁で左中間を破る二塁打で先制点を挙げる。2回に中前適時打を放つと、6回には右中間へ適時二塁打。広角打法で本戦出場に貢献し、大会MVPも獲得した。「自分の活躍よりチームが勝てたことがうれしいです」。両チーム合計26本のヒットが飛び交う乱打戦で、佐藤が体でもバットでも目立った。

 高校まで秋田市で過ごした。こまちスタジアムは、秋田高3年夏の県決勝で湯沢を11-1で下し、甲子園出場を決めた思い出の球場だ。佐藤はその試合でも4番で3安打2打点を挙げており「慣れ親しんだところなので、力が入りました」と振り返った。

 近隣には少年時代に野球を始めた時のグラウンドもある。試合前夜にラーメンを食べる、高校時代から続ける験担ぎもした。準決勝まで11打数3安打と不振だった男が、故郷の風に吹かれ、大一番で復活した。

 チームは昨季までのエース摂津(ソフトバンク)が抜け、打力強化が課題だった。月に1度は摂津から連絡を受ける阿部圭二監督(53)も「頼もしいです」と佐藤の活躍に目を細めた。監督就任3年目で、初の都市対抗出場。座禅やミーティングでメンタル強化をはかってきた指揮官は「ようやく結果が出ましたね」と胸をなで下ろした。

 活躍の舞台は、8月21日開幕の本戦に移る。東京ドーム初体験となる佐藤は「打球が伸びるらしいので何とか打ちたい」とアーチを宣言した。地元で得た勢いそのままに、社会人野球の聖地に乗り込む。【由本裕貴】