<社会人野球・日本選手権:大和高田クラブ6-4TDK>◇14日◇1回戦◇京セラドーム大阪

 TDK(秋田)が大和高田クラブ(奈良)に逆転負けした。8月の都市対抗に続き、全国大会で初戦敗退。東北予選MVPの先発左腕、大原慎司(24=常磐大)が5回1/3を4失点と誤算だった。3月のTDK千曲川(長野)との統合後、主要全国大会初勝利を逃し、74年の第1回大会以来35年ぶりの選手権1勝も泡と消えた。

 先手を取ったのはTDKだ。1回表1死二、三塁から、4番高倉啓司(31)の三ゴロの間に1点を先制。1-1の3回表には、2死二塁から阿部博明(31)が左前に勝ち越し適時打。5回にも1点を追加した。

 33年ぶりに東北予選で優勝し、10月の関東遠征では4勝1敗。8月の都市対抗を制したホンダなどに勝って自信を深めた。だが佐藤康典監督(39)から「(初戦敗退した)都市対抗の後、一番の収穫」と期待された大原が踏ん張れない。3-2の6回裏に2点を奪われ、5回1/3を4失点で降板。東北予選17イニング無失点の左腕が、全国の舞台で本調子を出せなかった。

 4-5の8回には、千曲川のエースだった阿部正大(27)が1点を失った。8回表2死満塁、9回表2死一、三塁の逆転機も生かせず敗戦。74年の第1回大会で電電四国(愛媛県)を破って以来、35年ぶりの勝利は来年以降に持ち越した。