<全日本大学野球選手権:東海大5-0慶大>◇準決勝◇12日◇神宮

 巨人原監督のおい、東海大(首都)菅野智之投手(3年=東海大相模)が大会記録に2個と迫る17奪三振完封で、2年ぶりの決勝進出を決めた。慶大OBの巨人滝鼻オーナーが見つめる前で自己最速を1キロ更新する155キロをマーク。得意の高速カットボールに加え、フォーク、ツーシームを解禁して強打の慶大(東京6大学)打線から先発全員三振を奪った。

 鋭い腕の振りから放った菅野の直球が、外角低めに伸びる。6回、自らの暴投で2死三塁とピンチを広げた直後のボール。カウント2-2から、低めいっぱいで三振に切った。球場表示は155キロ。楽天田中似の切れ長の目で、本家顔負けの雄たけびを決めた。「気持ちが乗ってきて、スピードにつながった」と胸を張る。1万2000人の観衆が、ニューヒーローの奪三振ショーに吸い込まれた。

 3回2死二塁は3番山口から、プロ顔負けの146キロカットボールで三振に切った。7回は4度首を振って114キロのカーブを投げた。緩急を使い、6大学屈指の慶大打線から全員三振を奪った。7回ノーヒットノーランを達成した同大戦では数球だったフォーク、ツーシームを解禁。4者連続、5者連続三振を含む17奪三振だ。

 巨人原監督のおいという話題先行だった高校時代とは違う。「肉体的にも精神的にも別人のように成長している」と自覚する。09年から上半身、下半身ともオフシーズンは本格的なウエートトレーニングを開始した。「大学日本代表に入って、気持ちが変わった」と言う。親交がある中大・沢村らの影響で、志がさらに高まった。ご飯はどんぶり3杯がノルマ。体重は高校から10キロ近く増えた。

 肩、ヒジが柔らかく、投球時に腕が体の近くを通るから、速く振れる。大リーガー並みの強い上体を生かした投げ方で、このスピード。ロッテ山下スカウトは「下半身がもっと使えるようになれば、160キロに挑戦できる」とうなった。多彩な変化球を操る、野球センスも魅力だ。

 快投を終えた第一声は「準決勝は終わったこと。決勝のことを考えたい」だった。2年前とは違う、自らの手でつかんだファイナルの舞台。巨人原監督には「明日勝って、連絡したいです」と誓った。尊敬するおじも果たせなかった大学日本一を、自慢の快速球で取りにいく。【前田祐輔】