日本人以上に、日本人だと思う。楽天の新外国人フランク・ハーマン投手(32)である。来日して、約4カ月が過ぎようとしている。三木谷オーナーがMBAを取得した、世界トップクラスのハーバード大卒。インテリらしく、やはり頭がいい。記者と顔を合わせると、「お疲れさまです」と流ちょうな日本語であいさつをする。それだけではない。お辞儀も合わせる。時に、被っていた帽子を取るほど、礼儀正しい。日本の文化を取り入れようと、前向きである。

 それらは、決して“ポーズ”ではない。タクシーの乗車時も、ハーマンの「日本人らしさ」を垣間見た。タクシーが到着するやいなや、まずは運転手に一礼。持っていたキャリーバッグを自ら、トランクにしまい込んだ。そして、座席に乗り込む前に、「お願いします」とお辞儀。どこまで上品なのだろう。付けいる隙間もない。

 本業でも、順応している。来日直後は、ボークの判定に苦しんでいた。投球モーションが制止していない、という指摘を真摯(しんし)に受け止め、何度も投手コーチに頭を下げてアドバイスを求めた。そのかいもあってか、3日時点で、同僚の森原に並びリーグトップの10ホールド。彼のそんな姿勢を感心するとともに、日本での成功を心から願うばかりである。【楽天担当=栗田尚樹】