ファイナル初戦は日本ハムがソフトバンクに快勝しアドバンテージを含め2勝0敗とした。野球評論家の西本聖氏に第1戦の感想を聞いた。

 -日本ハム先発の大谷が7回1安打無失点の快投

 西本氏 大谷はもちろん良かったが、それ以上にソフトバンク打線の淡泊さが気になった。何とかして大谷から点を取るんだという雰囲気が全然見えなかった。

 -大谷から点を取るとすれば立ち上がりだった

 西本氏 セーフティーバントの構えをするとか、もう少し工夫をして欲しかった。ピッチャーってセーフティーの構えをされると本当に嫌。バントに備えてスタートを切らないといけないし、一瞬でもバランスが崩れてコントロールが乱れることもある。短期決戦の大事な初戦。投手が嫌がることをもっとやってもよかった。

 -大谷の投球について

 西本氏 レギュラーシーズンで優勝を決めた試合と同じようにスライダーが良かった。気分良く投げられていた。

 -一方のソフトバンク先発の武田は5回につかまりまさかの6失点

 西本氏 まず先頭のレアード(左越え単打)に変化球を続けて打たれた。捕手の細川にすれば裏をかいたつもりなんだろうけど、1球でもインコースの直球を見せておけば。続く大谷(中前安打)。こういう場面では初球からどんどん打ってくるバッター。もう少しじっくり攻めたかった。そして大野のバント処理のミスが悔やまれる。1つでもアウトを取っていれば。

 -これで無死満塁

 西本氏 投手コーチの佐藤さんはこの後の西川に打たれてからマウンドに行ったが、ここで行くべきだったかもしれない。武田にしてみれば自分のミスで満塁にしてしまった。冷静になるために一番必要なのは「時間」。結果論だが、ここで間を取ってもよかった。

 -中前に2点適時打された西川の攻め方について

 西本氏 西川は前の打席で武田のウイニングショットであるカーブに全くタイミングが合わず空振り三振していた。最終的にこのカーブで勝負に行くと思ったが中途半端なフォークボールを投げて打たれてしまった。バッテリーは裏をかこうというつもりだったと思うが、やはりここ一番の場面では自信のあるカーブで勝負してほしかった。

 -ソフトバンクは日本ハムの大谷-谷元-マーティンのリレーの前に1安打で完封された

 西本氏 何の策もなかった。11・5ゲーム差を逆転された悔しさが伝わってこなかった。繰り返しになるが大谷の快投というよりも、ソフトバンクの淡泊さが気になった第1戦だった。