仙台育英(宮城)の146キロ右腕・佐藤世那投手(3年)が平常心で早実・清宮に挑む。18日、兵庫・西宮市で約2時間の調整を行った。注目される清宮との対決に関して「すごいとは思うが、名前に負けないように。過剰に意識しないで1人のバッターとして抑えたい」ときっぱり。佐々木順一朗監督(55)も「9人の1人」と、特別視しない姿勢を示した。

 清宮を「抑えるイメージはまだない」と弱音も吐いたが、佐藤世には技術がある。ぐいぐい直球とフォークで三振を取るスタイルだけでなく、変化球主体で打ち取ることも出来る。「インコースを張ってくるところの逆を突くとか。いろいろ考えながら勝負したい」。清宮の心の裏を読んで、抑えるつもりだ。

 準々決勝の秋田商戦では133球を投げ、3失点完投に仕留めた。今大会通じ4戦31回2/3、420球を投げている。「若干(腕が)重くは感じた。昨日は試合を振り返らないで早く寝ました」。疲労がたまっているのは確かだ。この日のブルペンも立ち投げでフォームを確認し、座った捕手に投げるのは15球にとどめた。あとは気力の勝負。「次勝たないと、ここまで勝ってきた意味がない」。花巻東、秋田商とのみちのく対決を制しての4強進出。大旗の白河越えを期待する東北の思いが、セナの肩にかかっている。【高場泉穂】

 ◆東京対宮城 春夏通算で宮城の6勝3敗。87年夏に東北が帝京・芝草にノーヒットノーランで敗れ、89年夏決勝では帝京・吉岡に完封されたが、05年春に一迫商、09年春に利府の21世紀枠校が続けて勝つなど最近は4連勝。13年春には仙台育英が4番上林の決勝打で早実を破った。