第88回選抜高校野球大会(20日から12日間、甲子園)の抽選会が11日、大阪市内で行われた。

 恩返しを目標とする関東第一(東京)ナインの前に、高い壁が立ちはだかった。楽天1位のオコエ瑠偉外野手(18)の母校は、優勝候補の東邦(愛知)とぶつかる。エース兼4番で投打二刀流として注目の東邦・藤嶋健人投手(3年)は1年時から活躍。OBで、77年夏の甲子園で準優勝した際の1年生エース坂本佳一の愛称を引き継いだ「バンビ2世」は投打で進化している。米沢貴光監督(40)は「正直、嫌なイメージしかないです」と素直な気持ちを口にした。

 昨夏甲子園4強の原動力となったオコエから受け継がれたイズムを、発揮する時だ。キーマンは1番中堅を継承するチームNO・1の俊足、宮本瑛己外野手(3年)だ。50メートルは5秒9。隙あらば次の塁を狙う姿勢は、先輩譲りだ。「彼にはオコエのイメージを持つなとは言ってありますが、チームで一番足が速くて守りも魅力。左打者として藤嶋くん攻略の鍵になる」と指揮官の期待も大きい。

 今月1日にはオコエから寄贈された、1台推定100万円する2台の打撃ケージが届いた。その中で、今日から藤嶋対策が始まる。村瀬佑斗主将(3年)は「オコエさんほどの活躍は難しいですが、しっかりと関一らしい野球がしたいです」と言った。先輩へのお返しが優勝になったら最高だ。【和田美保】