新発田南が今大会初の延長13回タイブレークの末、15-11で五泉との激戦を制した。左腕エース小林佑投手(3年)が先発し、177球で完投。打っては5番高橋優介外野手(3年)が6打点を挙げ、勝利に導いた。

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最後の打者を二ゴロに打ち取った新発田南の小林は、この日一番の雄たけびを上げた。延長13回を投げ、11安打15奪三振11失点(自責6)。2回戦の佐渡戦(4月29日、5-3)の160球完投に続く、熱投だった。「疲れましたけど、チームの勢いはついたかな」。試合時間も3時間30分。死闘を1人で投げ抜いた。

決して納得のいく内容ではなかった。「課題です」。自分でも自覚する立ち上がりに苦しみ、3回までに7安打4失点。それでも小柳徳之監督(60)は「もちろん(継投の)準備はしてましたけど、小林の(マウンドでの)表情が良かったので、替えなかった。よく投げてくれました」とねぎらった。

エースの熱投に打線も奮起した。3-5で迎えた9回の土壇場で2点を返し、同点に。延長タイブレークでは取っては取られの展開が続いたが、1点を勝ち越した11-10の13回表1死満塁で5番高橋が2打席連続となる走者一掃の左越え二塁打を放ち、勝負を決めた。試合前の朝練で小林から「今日、打ってくれよ~」と言われていたという高橋は「小林がすごく頑張ってたので。いいところで最後打ててよかった」。計6打点をたたき出し、期待に応えた会心の表情を見せた。

春の16強入りは16年以来8年ぶり(20年は新型コロナで中止)となった。中2日で迎える7日の4回戦は上越と対戦する。小林は「自分が先発するかはわからない状況なんですけど、次もしっかり頑張りたいです」。勢いそのままに、8強入りへ腕を振り続ける。【大島享也】