タレントぞろいの横浜(神奈川)で、また1年生が大活躍だ。斉藤大輝内野手(1年)が初戦に続いて先発出場し、4打数4安打1打点。相模原中教校に大勝し、3戦連続コールド勝ちで16強へ進出した。

 「3番二塁」を任された斉藤のバットコントロールが光った。真骨頂は2回の第2打席。内角直球に対し窮屈になりながらバットを出し、右前へ流した。「いつも1、2番を任されていたので、今日は3番の仕事がしたかった。うれしかったです」。第1打席で左前へ引っ張り今夏初安打を放つと、右に左に4打席連続安打を放った。

 良きライバルの存在がある。この日、代打出場し死球をくらった190センチ、92キロの大物ルーキー、万波中正外野手(1年)が3回戦、横浜スタジアムの電光掲示板を直撃する推定135メートル弾を放った。ボールボーイを務めていた斉藤は「やべーな、こいつと思いました」と笑う。4回戦前夜はともに自主練習をし「万波の活躍は刺激になりますが、自分は打率の方で万波を超える努力をしたいです」と奮起した。

 とはいえ、斉藤も「大物ルーキー」だ。戸塚シニアでは中2で全国大会に出場し4強入りに貢献。3年夏の関東大会ではサイクル安打も放った。横浜入学後はリードオフマンとして春季県大会から起用されることが多く、関東大会準決勝では3安打。クリーンアップに抜てきした平田徹監督(33)は「斉藤はバットが内側から出る。順応性があり対応能力が高いです。1年生たちが期待に応えてくれました」と、1番右翼で先発した長南有航外野手(1年)とともに評価した。

 六ツ川中3年時に「学級委員」を務めた斉藤は、2年後の第100回大会で主将候補としても名が挙がる。「今年は先輩たちが強いので、全国(制覇)を目指せるチームだと思います。足を引っ張らないように自分も活躍したい」。怖いもの知らずの頼もしい1年生がまた現れた。【和田美保】