熊本地震の苦難を乗り越えたセンバツ4強の秀岳館が13-2で昨夏代表の九州学院を下し春夏連続、夏は01年以来、2度目の甲子園出場を果たした。

 今もスタンドの一部に亀裂が入り、立ち入り禁止エリアがある藤崎台県営野球場での決勝。夏の開催も危ぶまれた熊本球児の聖地で20安打13点と存分に力を発揮した。主将でプロ注目の九鬼隆平捕手(3年)は「試合ができ感謝しています。苦しんでいる人に勇気を与えられるよう、甲子園で必死に戦いたい」と意気込む。

 今も余震があり、県内の避難所生活者は3740人に上る。鍛治舎巧監督(65)は「全国の皆さんからのご支援に対するありがとうの気持ちを一投一打に込め、魂の野球を展開したい」。甲子園では一戦必勝で熊本に元気を与える。

 ◆秀岳館 1923年(大12)創立の私立校。普通科、商業科、建設工業科。生徒数1160人(女子416人)。野球部は56年創部。部員数98人。甲子園は春2度、夏は2度目。主なOBは元ソフトバンク松中信彦氏、DeNA国吉佑樹ら。熊本県八代市興国町1の5。中川静也校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦9―2熊本西

3回戦12―2済々黌

準々決勝7―6熊本工

準決勝7―1文徳

決勝13―2九州学院