第84回選抜高校野球(3月21日開幕、甲子園)の出場校が27日、大阪市内で開かれた選抜選考委員会で決定した。
前夜、氷点下10度を下回った花巻東(岩手)に一足早い春風が舞い込んだ。歓喜の輪の中心には、最速151キロを誇る大谷翔平(2年)の笑顔。初戦で敗れた昨夏の甲子園で泣きながら「春、必ず戻ってきて日本一になる」と誓っていた高校BIG3の筆頭格は「うれしい。3年前(西武菊池)雄星さんが届かなかった頂点を狙う」と宣言した。
左股関節の成長軟骨を離開骨折していた昨夏は、2年生の甲子園史上最速の150キロを計測したが「納得できる球じゃなかった」。回復して迎える今春。万全の状態で対戦したい相手がいる。自身と高校BIG3を形成する、大阪桐蔭の藤浪と愛工大名電の浜田だ。
「2人とも、いい投手なので意識しますし、やる気になる。チャンスがあれば投げ合って、勝ちたい」。センバツを見据え、明治神宮大会で準優勝した浜田の投球を映像で確認したり、藤浪らの写真を切り抜き、練習前に見てモチベーションを上げてきた。
ライバルと投げ合うことで潜在能力も解放される。自己最速の151キロは2年春の練習試合でマークしたものだが、その時に投げ合ったのが、阪神入りした聖光学院の歳内。「強い相手ほど燃える」大谷が難敵との勝負の中で「高校生史上最速の160キロ」という夢を追い求める。
3年前、中学3年だった大谷は花巻東の準優勝を見て入学を決意した。当時、菊池が計測した154キロ超えも視野に「チームとしても、1人の投手としても日本一になる」と話す大谷がライバルに投げ勝っていけば-。悲願の東北勢初優勝が見えてくる。【木下淳】

