高校ビッグ3がセンバツでそろい踏み-。第84回選抜高校野球大会(3月21日開幕、甲子園)の出場校を決める選考委員会が27日、大阪市内で開かれた。ドラフトの目玉になる大阪桐蔭・藤浪晋太郎、花巻東(岩手)・大谷翔平、愛工大名電(愛知)・浜田達郎(いずれも2年)が集結。藤浪はダルビッシュばりの防御率0点台の快投を目指す。

 1年夏からウワサになったナニワのダルビッシュが、甲子園にデビューする。本家をしのぐ197センチの長身。股下は98センチで、両手を伸ばせば右の指先から左の指先までの長さは2メートル超。最速150キロのストレートが、東京スカイツリーなみの角度から伸びてくる。右68キロに左74キロの握力に、背筋力は200キロ。すべてが規格外だ。

 藤浪

 ビッグ3と言って下さいますがそれでハードルが上がってしまって(笑い)。花巻東の大谷君や愛工大名電の浜田君とは対戦経験はないけれど、自分ではとても打てそうにない。野手に頑張ってもらいます。

 「おかわり2世」の主砲・田端良基内野手(2年)や、攻守で早くもプロ注目の森友哉捕手(1年)らを頼りにする。だが準備は怠りない。敢行中のトレーニングがある。遊撃兼任の守備練習。マウンドでノックを受けたあと遊撃の位置に走り、本職にまじってノックを受ける。下半身を鍛え、柔らかい投球フォームを身につけるための「藤浪スペシャル」を続けている。

 藤浪

 強い下半身を作って投球フォームを安定させるのが冬の課題。身長が高い分、平均的な身長の投手がリリースポイントの位置が2センチずれるなら自分は6センチずれるんだと監督には言われています。

 近畿8強で終わった昨秋。投げ終わった際、一塁側に体が流れた。だが年明け、大阪・大東市のグラウンドで投球練習を見た中日米村スカウトは「よくなっている。体が流れなくなった」と目を見張った。チェンジアップも巨人杉内の握りをまね、カットボールとともに精度を高めた。着実に進化している。

 藤浪

 出来るだけ失点を少なくして、得点を守れる投球をしたい。チームとして一番上を目指します。

 本家ばりの防御率0点台の快投でビッグ3の、いや春の頂点へ。ナニワのダルビッシュの伝説が始まる。【堀まどか】

 ◆藤浪晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年(平6)4月12日、大阪府堺市生まれ。小1から「竹城台少年野球クラブ」。中学時は「大阪泉北ボーイズ」でボーイズ日本代表。高1秋、高2春、同秋大阪大会優勝。高2春から背番号1。197センチ、86キロ、右投げ右打ち。