進路が注目されている高校生最速の160キロ右腕、花巻東(岩手)の大谷翔平投手(3年)が、プロ志望届の提出を決断したことが15日、分かった。今週半ばにも会見を開いてメジャーも含めたプロ入りの意思を表明し、同届を提出する。

 大谷は11日に、佐々木洋監督(37)と両親をまじえた面談を行っていた。その際「まだ体が成長過程なので。体をしっかり作ってより長くやれるように」という佐々木監督の意向もあり、4校の大学、5社の社会人チームというアマへの進路も選択肢に残していた。しかし本人が、かねて夢だったプロの舞台でプレーする道を決断した。高校通算56発のスラッガーとしても高い評価を受けるが「ピッチャーでいきたい」という強い希望は変わらない。

 同届を日本高野連に提出した翌日から、日米プロ両サイドと話をすることができる。大谷は、第25回IBAF18U世界野球選手権(韓国・ソウル)終了後に「プロ野球ならどこでもいいです」と12球団OKの姿勢を明言した。一方、初の世界大会となった同大会で「外国人は(バットに)当てにこないし、思い切りよくスイングしてくる。力と力の勝負。やってて楽しかった」と、外国勢との真っ向勝負に刺激を受けていた。佐々木監督も11日の面談後に「海外の人とやったのは、良い経験になった感じがした」と話しており、今後は周囲と相談しながら国内、メジャーのどちらかを選択することになる。日本球界を選ぶか、いきなりのメジャー挑戦を決断するか。20年に1人の逸材といわれる男の選択が、さらに注目される。