夏の全国高校野球選手権茨城大会(7月6日開幕)の組み合わせ抽選会が21日、水戸市内で行われた。プロ注目の本格派右腕・金谷太輔(かなやだいすけ=3年)を擁し創部113年目で初の甲子園出場を目指す太田一は、1回戦で笠間と対戦することが決まった。

 投手歴2年の太田一・金谷が熱い視線を浴びている。身長190センチから投げ下ろすスピンの利いた直球は、春の県大会で自己最速の141キロを計測した。県大会では昨秋は初戦で水戸商に0-2、今春は2回戦で東洋大牛久に2-3と敗れたが、常総学院、霞ケ浦など強豪の監督がこぞって警戒。潜在能力を評価するプロ3球団のスカウトがすでに練習を視察に訪れている。

 中学までは捕手だった。高校入学時には188センチ。素材にほれ込んだ島根修二監督(50)は入学してすぐに投手に転向させることにした。当時は「不安だった」という金谷は動画サイトでレンジャーズ・ダルビッシュの映像を見て体重移動の仕方などフォームを研究。「おなかがすかないように」と、3食以外に1日5個のおにぎりを食べるなどして、昨夏は69キロだった体重を76キロまで増やした。

 島根監督は「まだまだきゃしゃ。これからの選手」と言いつつ「最近、投球に躍動感が出てきた」と成長を感じている。「力で押せるようになってきた」と手応えを感じている金谷は「練習試合で負けた常総と霞ケ浦を倒したい」と、最後の夏での雪辱に燃えている。

 ◆金谷太輔(かなや・だいすけ)1995年(平7)8月27日、茨城・常陸太田市生まれ。小学3年から太田ベアーズで野球を始める。ポジションは常陸太田中まで捕手。190センチ、76キロ。右投げ右打ち。趣味は「特にないです」。家族は両親と姉、弟。