佐々木流愛のムチだ。第86回選抜高校野球大会(21日開幕、甲子園)に出場する駒大苫小牧(北海道)は18日、大阪入り後初の練習試合を行った。1試合目の久御山(京都)戦は5-4でサヨナラ勝ちしたが、8回まで散発4安打1得点。振るわない打線に佐々木孝介監督(27)は、ナインに昼食を取らせる時間も与えず、2試合目の近江兄弟社(滋賀)戦に挑ませた。主力メンバーを連続フル出場させ、奮起を促した。

 佐々木監督が甲子園本番を前に試練を与えた。腹が減っては戦ができぬはずが…。食べ盛りの選手たちに昼食抜きでの2連戦が待っていた。辛勝した1試合目終了後、ベンチで約30分の反省会。昼食の弁当は球場に届いていたが、そのまま2試合目に突入した。「野手が全然ダメだった。おなか減ってるだろうし、苦しいだろうけど」と佐々木監督にとっても苦渋の選択だった。

 最初の久御山戦では8回まで得点は1点のみで散発4安打とあと1本が出なかった。相手は昨秋の京都府大会2回戦敗退。最後はサヨナラで勝つには勝ったが、初戦を4日後に控え、北海道王者としては内容に物足りなさが残った。

 2試合とも先発した野手8人は、全員1ケタ背番号をもらっている主力メンバー。佐々木監督は「背番号をもらっているのにぶざまな試合をしちゃいけない」と怒った。それでも不満が募ったから昼食を抜いたわけではない。厳しい状況に置かれたとき、わき出る底力があると思ったからだ。「もっと苦しめ、ということ。そのなかで超えるものに期待した」と意図を説明した。

 16日の練習試合でもいなべ総合(三重)に敗れた後、反省会でナインの表情を見た佐々木監督が「顔つきがすごく良かったから」とすぐに磐田東(静岡)戦に臨み、白星につなげた。この日は昨秋の滋賀県大会Vの近江兄弟社に敗れはしたが、逆境に耐えたその先に、甲子園で念願の勝利をつかむことができると信じている。

 今日19日、本番前最後の練習試合となる金光大阪戦が予定されている。佐々木監督は練習試合を「甲子園1回戦のつもりで」と言い続けてきた。「明日最後なので、向かって行ってほしい」。指揮官の思いがナインに伝わったとき、チームの力は倍増する。【保坂果那】