独立リーグ・BCリーグ設立20周年を祝うイメージソング「ばっちこ~い!!」が好評だ。

シンガー・ソングライターの竹原ピストル(49)が書き下ろし、リーグ戦が行われる球場で流されファンの間で注目を集めている。曲に込めた思いを竹原に聞いた。【取材・構成=平山連】

-改めて聴くと、とてもメッセージ性のある曲です

竹原 サビの部分は一発で覚えてもらえるようなシンプルな言葉とメロディーラインがいいだろうな、というのが始まりでした。野球用語を使いたいなと思い、「ばっちこ~い!!」という掛け声があったことを思い出したんです。歌詞のままですけど、悔しいこと、つらいこと、苦しいことも正面から受け止めてやるから来いよという気持ちと、夢や目標に食らいついてダイビングキャッチしにいくイメージで作った曲です。

-歌詞にある「ラストのチャンスなんてなかっただろ? チャンスにラストなんてなかっただろ?」「諦めるにはまだ早い」といったフレーズは、独立リーグを取材して感じる部分とリンクしている気がします

竹原 意外とチャンスは、続けてさえいればずっと巡ってくるものだと思っています。スポーツ選手の皆さんも「ここで決めなきゃ」と思ってやってダメだったとしても、続けていたらまたチャンスが訪れるんだと思います。

-BCリーグのことは、曲を作るまでどのくらい知っていましたか

竹原 テーマソングを書き下ろしてほしいとお話をいただいた時点では、失礼ながらBCリーグという野球の独立リーグ自体の存在を存じ上げていなかったんです。インターネットで調べたり、BCリーグの上野馨太代表から直接お話を聞いたりしたことで、一線を退いたけれど夢を諦めずにもう一度チャレンジしたい選手や、NPB入りを狙う選手が集まっていることを知りました。我ながら、ぴったりの曲を作れたと思います。

-曲が完成してから、BCリーグのオープン戦を2度ほど見に行く機会があったそうですね

竹原 今年のシーズン前の時期に行きました。すごく風が強くて寒い日ではあったんですが、「みんなここからのし上がっていこうとしてるんだなぁ」と思いながら見ると、グッときちゃいました。また、お芝居の仕事で共演した方の中に、BCリーグに詳しい方がいまして。「NPBという目標に向かって頑張ってる選手たちが集まってるから、みんなすごいガツガツしてるし、すごい熱くプレーしているし、本当に面白いリーグですよ」と教えてもらいました。

-BCリーグがより身近になりましたか

竹原 はい。ただ、その彼が「一球一打で試合が逆転されてしまうかもしれないという局面で、『ばっちこ~い!!』なんて全然思ったことがない。逆に『球が飛んでくるな』と思いながら守っていた」と言っていました(笑い)

-野球とのつながりは

竹原 中学時代は野球部でした。我ながら一生懸命やっていて、当時はキャッチャーをやっていました。ただ、バッテリーを組んでいた同学年のエースピッチャーがとても気難しいやつで、「もうめんどくせぇ、団体競技はいいや」と思ってボクシングという個人競技に転向しました。でも、野球自体はすごく好きでした。中学の最後の大会で負けて野球は引退しました。

-野球は「プレーするところ」から「見るところ」に変わったんですね

竹原 最近だと、プロ野球中継を見ていて選手の経歴に「BCリーグ出身」とあるのをよく目にするなぁと思っています。今回の制作をきっかけに、このリーグは選手たちのチャレンジの精神に満ちたリーグなんだと改めて認識しています。「どんなリーグなの?」と聞かれたときに、しっかり説明できるくらい親身になれたと思っています。

-BCリーグ20周年の歴史に関われた意義については、どう感じていますか

竹原 20周年だけど、私にとってはBCリーグを認識したのが「1年目」なので。もっと早く、発足したばかりの時から注目しておけばよかったなという後悔はありましたよね。ここから30周年、40周年に向けて、「この人もBCリーグにいたんだ」とか「この選手は絶対NPBへ行くだろう」とか、そんな目で見られるのが楽しみですね。選手たちに向かってこのような歌を提供させていただいた以上は、自分も恥じない頑張りをしなきゃいけないなと思っています。

◆竹原(たけはら)ピストル 1976年(昭51)生まれ、千葉県出身。99年「野狐禅」を結成し、03年にメジャーデビュー。09年よりソロとして活動。17年4月にリリースしたアルバム「PEACE OUT」はオリコンウィークリー5位にチャートイン。同年、大みそかには紅白歌合戦にも出演。翌年には日本武道館でのライブを成功させた。音楽活動に加え、役者としても活動している。映画「青春☆金属バット」(06/熊切和嘉監督)でデビュー。「永い言い訳」(16/西川美和監督)で第40回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した。