西武篠原響投手(19)のプロスペクトぶりがセ界にばれた。大観衆の甲子園で初登板。150キロ台中盤を制球良く並べ、1イニングを3人で抑えた。
3日の試合前、篠原はグラウンドをじーっと眺めていた。「投げるチャンスあったら楽しみですね。いつも通りに投げられたら」。高卒2年目。2年前の今ごろは福井工大福井高の背番号10。「3年の5月とか6月に、プロ野球選手を目指すことを強く意識できるようになりました」という時期だった。当時は全国的には無名で、無名のままドラフト会議を迎えた。
福井大会では決勝にも駆け上がることができず、甲子園は遠かった。「だから仕方ないのかな、って感じもあったんですけど」としつつ驚きもあった。
「甲子園で京都国際が優勝したのはビックリしましたね。うわ、優勝したんだと。うちの高校とけっこう練習試合してたんですよ。中崎と西村、向こうの左腕2枚はなかなか打てなかったですけど、相手の打線も自分たちを打てなくて。試合に勝つのは難しかったんですけど、でもそんな感じだったので…」
頑張れば自分たちも近いところまで行けたのでは-。そう思えてしまうような京都国際の躍進だった。遠いような、近いような甲子園。2年たって、首位を走る西武に欠かせないセットアッパーとして投げる。
そうして踏んだ、初めての甲子園のマウンド。思いがけずプレートを外す場面があった。
「1回、なんか、セットに入ってから、すごくいっぱい(阪神ファンの)声が聞こえたんで、なんかタイム掛かってるのかなと思って外したんですけど(何もなくて)」
肌で知った甲子園のすごさ。それでも乱れず、ゾーンに投げ込んでいった。「いつも通りでした」と感想を言えてしまう、末恐ろしい19歳だ。
「名古屋のほうがより意識する場所なんで。そこでもいつも通り行けたらいいですね」
5日からは地元名古屋での中日3連戦(バンテリンドーム)に。多くの人が快投を待っている。【金子真仁】



