<高校野球春季北海道大会:白樺学園7-3帯広農>◇18日◇十勝地区代表決定戦◇帯広の森

 「寝る子は育つ」育成法の効果を発揮!?

 十勝地区で白樺学園が帯広農を下し、3年ぶり10度目の全道出場を決めた。昨秋の全道4強後、戸出直樹監督(38)が体づくりの一環としてチーム練習後の居残り自主練習を禁止。早寝指令での睡眠時間確保で体を成長させたナインは、打力アップを証明する13安打で円山切符をつかんだ。

 白樺学園ナインが攻撃力を見せつけた。2回表無死、先頭の5番・花田龍輝主将(3年)の左越え本塁打で先制した。続く3回には3連打などで3点を追加。計13安打で帯広農を突き放した。現メンバーにとって春は初の全道進出。花田主将は「良い形で攻撃できた。また円山に行ける」とにっこり笑った。

 「自主練しないで早く帰れ」。昨秋、戸出監督からの指示にナインは驚いた。自宅や寮でゆっくり休んで、ぐっすり寝る、体の成長を促すため、そんな健康的な生活を求められた。平均的に睡眠時間が1、2時間増加。「例年よりしっかり体づくりをしようと思って」(戸出監督)と、ウエートトレーニングにも力を入れ、冬を越えてナインの体重は3~5キロ増えた。花田主将の2本塁打など地区4試合で34得点。戸出監督は「打球の質が良くなってきている」と効果を実感している。

 さらに、今春から日本一チームを参考に規則正しい生活リズムを取り入れている。3月に練習試合をした昨年センバツ覇者の浦和学院(埼玉)が午前5時半起床を徹底していることを知り、取り入れた。完全に朝型生活にシフト。夜間練習はしないが、早朝練習で鍛えている。

 昨秋の全道準決勝で札幌大谷に2安打0封負けを喫した。この日5安打を放った入江拓也中堅手(3年)は「ベスト4止まりは何でかをずっと考えてやってきた。一丸となって戦っていきたい」と雪辱を誓う。体も打撃も成長中の白樺学園ナインが円山で頂点を目指していく。【保坂果那】